自閉症の兆候、扁桃体の大きさで判別可能か

とても興味深い研究が発表されています。prader-willi症候群の場合も、主に過食症との関連で、脳の扁桃体について研究が進められているようですので、精神面、認知面との関連も統合的に解明されていく事を期待したいですね。

自閉症の兆候、扁桃体の大きさで判別可能か
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200905050014.html

Longitudinal study of amygdala volume and joint attention in 2- to 4-year-old children with autism.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19414710?ordinalpos=1&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum

このところアーチャン興奮しやすい時があり、また何もする事が無い空白の時間などに盗み食いしたりすることがあり、少しずつですがPWSの行動の問題が見えてきているので、気になっています。僕の関心としては、描画での特徴(重なり図が描けない等)から、観察者中心座標系の揺らぎがあって、それらが不安感に結びついているのではと推測しているのですが、でも描画自体には不安な要素はあまり感じられないので、直接的に感情面や好き嫌いに関係の深い扁桃体の変異などの複合的な作用もあるのでしょうね。
「prader-willi amygdala」でPUBMED等を検索するといくつか情報が出てきます(扁桃体=amygdala)
しかも、PWSの染色体タイプによって食事の際の脳の反応が異なるらしく、欠失型は食事前後にこの扁桃体が強く反応しているらしい。食べ物と食べ物以外のものの区別が欠失型では付きにくいという研究がありますが、それも関連してきそうですね。
PWSの過食症の原因物質ではないかとの説のあるghrelinも、この扁桃体に強い作用のある事が最近判明してきたらしく、以前鳥取大学の大野先生の講演会でお聞きした、ghrelinの血中濃度を下げる治験が海外で実施された際に、結果的に過食症は治らなかったけれど、治験参加者のうちの一人のPWSで、癇癪が納まったという報告がなされていて、その情報がとても気になっていて、このblogにも転載していました。PWSの諸症状の解明に結びつくように祈りたいですね。