マット・リドレー著「ゲノムが語る23の物語」を読む

図書館で返却した帰りに古本屋覗くと、先日新聞書評にあったマット・リドレー氏の別の本があったので購入する。23の染色体それぞれに詳しい最新の情報が記述された本である。とりあえずPWS関連で15番染色体のところ開くと、17世紀の画家が描いた5歳のPWSさん(当時は、もちろんPWSは病名ついていないから、現在から見ればという形であるが)のことが書かれていた。何かの文献で、そういう絵があるのは知っていたけれど、具体的に画家の名前や、モデルさんの名前が記述されているものは、初めて見たので、画像はなかったけれど躊躇わず購入。一部引用。

マドリードプラド美術館には、十七世紀の宮廷画家ファン・カレーニョ・デ・ミランダが描いた二枚組の絵がある。(中略)少女の名前はエウゲネス・マルティネス・バリェッホ。(中略)いま見れば、この少女はプラダーヴィリー症候群という珍しい遺伝性疾患の典型的な徴候を示している。

ゲノムが語る23の物語

ゲノムが語る23の物語

検索すると、ネットに画像がありますね。このミランダさんは、物凄く観察眼の優れた画家だったんでしょうね。少女の鋭い目の感じがリアルです。両手の小さな手の感じも娘と同じ感じですね。握り締める果物は過食症を表しているんでしょうね。ほっぺの感じも似ている。
何故この娘さんの肖像画が描かれたのか、そしてこの娘さんは、その後どのような運命を辿ったのか、よく分かりません。僕の娘と同じ歳だから、胸が締め付けられる思いがする。皆から愛されて生涯を送っている事を心から願う。

ファン・カレーニョ・デ・ミランダの作品から