石塚源太 展 「たゆたうさかいめ」

「水都おおさか森林(もり)の市2011」を見た後で、同じOAP内にあるアートコートギャラリーへ行きました。

石塚源太 展 「たゆたうさかいめ」
http://www.artcourtgallery.com/images/exhibition/2011/exhibition_2011_1001_ishizuka.html
アートコートギャラリーより引用

漆工芸の現代アートということで、ギャラリーのHPの不定形のオブジェを頭の中に描きながら見に行ったのですが、展示作品の多くは円盤状のパネルの2次元の作品でした。
最初、幾何学的なシャープな紋様と思って見ていたものが、いくつか見ていくうちに、それがカッターの羽や家具のネジのナットや針やホッチキスの釘やCDの断片を、漆に埋め込んで、螺鈿の代替物にしていることが分ってきました。
それは廃棄物アートのような表現ではなく、デュシャンのオブジェのように、そのまま意味を転換する系に近いけれど、漆に塗り込められているという限りにおいて、コンセプトだけでない感じがする。可触的で艶かしい。
デュシャンのアートの生涯を通じての性的イメージにまつわる表現のうちの、前期のコンセプチュアルなアートから、後期の可触的でより謎の多い表現への変容が、ひとつの漆アートの中に閉じ込められているような印象がある。