Art Court Frontier 2009 #7

京都での療育に行く前に、OAPのアートコートギャラリーへ行き、「Art Court Frontier 2009 #7」を観てきました。ここはギャラリーのすぐ目の前が川で、回廊に藤棚とベンチが設えられているので、気持ちの良い場所だし、観終わると、いつもここで風に吹かれながらランチを食べます。

様々なジャンルのアーティストやキュレーターさん達が、一人一作家ずつアーティストを推薦するというユニークな形式の展覧会。
印象的だった作品。

エントランスすぐのところにゲートのような踏絵のように置かれた、若木くるみ(推薦者:榎忠)さんの作品。
緑色のカーペットを切り抜いて作られた大きな顔(半分実体で半分はハーフミラーの壁に映った鏡像)は、何となく推薦者の榎忠さんの、以前キリンプラザで拝見した、半刈りでハンガリーをイメージさせ、それを来場者が踏んでいくというのも、何となくユニークでしたが、個人的に通過儀礼的なアートは僕はあまり好きでは無いですね。

樋口明宏(推薦者:奥村くみ)さんの、標本箱の中の大きな蝶や蛾に様々なイメージが描かれた作品。
アーチャンはこれがとても気に入った様子で、一番気に入った蝶はこれ、二番目はこれと自分でランキングしていました。描かれたイメージが微妙に左右非対称になっていて、より非現実感が醸し出されています。死とともに初めて会話が可能になる、そんな矛盾したような明るい感情がありますね。

池田高広(推薦者:奥村泰彦)さんの作品。
版画の手法をベースにして、刷り上った小さなピースを組合せながら巨大な、タペストリーのようなものを構成している。形や質感から、小さな子供達の為の施設、保育所や幼稚園に置かれても違和感ないようなイメージですが、近づいて見ると、一つ一つのピースは強いプレスの掛かった印刷で、エッジが強度を持っているところが伝わってきます。全体としてナチュラルで、近づいてみると、微細なところで気持ちの悪いものをたくさん含んで居るような表現は、僕も好きなイメージですね。

Art Court Frontier 2009 #7
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