やなぎみわ 婆々娘々展

信濃橋画廊を出て、ウツボ公園近くで昼食、それからブラブラと散策して国立国際美術館へ行きました。少し前に同時開催されているルーブル美術館展を既に見終わっていて、その時は時間が無くて、やなぎみわさんの作品を見ることができなかったので、今日改めてみることにしました。会期は23日までという事もあり、ルーブル展みる観客で、凄い人出で入場制限していました。これはやばいと思い、それで朝日友の会のカードで、カウンターで手続きした時に、係りの人に、前回ルーブル展見たので、やなぎみわ展だけ見たいので、先に入れますか?と尋ねるとOKしてくれて、出口から案内していただいて、入れました。(チケットに「B2のみ」とメモ書きしてもらい)

やなぎみわさんの作品でも、今日見てきた信濃橋画廊での中嶋雄二さん達の作品群と同様に、顔や人体のイメージとそのスケールのことが意識されているように感じました。一番奥の部屋にある、デカイ額縁に入れられた巨人のような老婆(何となく阿吽像のようでもあるが)のポーズをアーチャン真似ていて、気に入っている様子。この額縁の裏側まで、かなり丁寧に忠実にハトメの金具から何まで、きっちり作りこんでいました。アイデアのユニークさと共に、細部へのこだわりが、高いクオリティをもたらしている感じ。さらに奥の方で、黒いパオのようなテントが設えてあり、中に置かれたモニターに、そのテントをかついで砂漠みたいな光景をさ迷う、スーパー老婆たちの姿が映し出されていました。今度は小さく影絵のように見えるスーパー老婆達。この小さなスーパー老婆と、巨大な額縁の中の老婆も、顔や人体というレベルでは互換可能なもののはずであるが、モニター上のスーパー老婆達の動き自体は操作されたものではなく、生の人間の動きの限界を超えることはでていないし、巨大な額縁の老婆たちと較べて、むしろ互いに助け合う、か弱い存在のように見えてくる。
少し前に、NHKの日曜美術館で紹介された際の、京都の鴨川で親子で水遊びする等身大の、普段のやなぎみわさんの家族の姿を思い出した。

やなぎみわ 婆々娘々展
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/japanese/b2_exhi_beginning.html