こころの未来研究センターにて療育

午後3時から京都大学の、こころの未来研究センターにて療育を受ける。
担当のITさんとIDさん、2名の方で見ていただきました。
今日は、WISC検査という言語性IQと動作性(非言語性)IQの両方を観るテストを受けました。休憩を二度挿みながら約二時間今までに無い集中力で取り組みました。

今日の課題
1、絵画完成課題(どこがかけている?)
2、知識課題(クイズ)
3、符号課題(符号を書いていこう)
4、類似課題(どんなところが似ている?)
5、絵画配列課題(絵ならべ)
6、算数課題(算数の計算)
7、積み木模様課題(積み木)
8、単語課題(それはなに?)
9、組合せ課題(パズル)
10、理解課題(なにをしたらどうなる?)
11、記号探し課題(かたちをさがして)
12、数唱課題(数の暗記)
13、迷路課題

今日も療育はアーチャン一人で受けて、僕たち夫婦はスクリーンの奥で待機。

1、絵画完成課題(どこがかけている?)
課題の絵の中の一部が欠けていて、それを指差し指示する課題。
一部欠けている櫛、片方の靴下履いていない子供、芯のない鉛筆などは正答。
3本脚の椅子(一脚抜けている)、サドルの無い自転車、鏡に映る人形を抱いた少女(鏡像は人形無し)、ガットのないテニスラケッット、ツマミの一部抜けたタンスなどは、誤答でした。5問連続して誤答にて、そのテストは終了のルールにて、ここで終了。

2、知識課題(クイズ)
日常生活の中での常識問題みたいな内容。
最初の課題の、耳の数はいくつ?=二つ、を正答した後は少し難しかった様子。
犬の脚は何本?=5本、ニワトリの子は?=赤ちゃん、火曜日の次の日?=未回答、四季?=未回答、1週間は何日?=15日 5問連続して誤答にて、そのテストは終了のルールにて、ここで終了。

3、符号課題(符号を書いていこう)
1,2,3・・9の数それぞれに対応した見慣れない符号(直線や円弧の組合せによる)が見本として書かれていて、それを見て、課題の数の並びの下欄に、対応する符号を書き込む課題。
これはとてもよく出来たようです。課題自体理解出来るか心配されたそうですが、最初の簡単な説明で、理解できたらしく、90秒間に20問回答。一個ずつ丁寧に書くので、それで時間取られている様子。

4、類似課題(どんなところが似ている?)
例えば、リンゴとバナナ=くだもの、と回答するような関係性や基本的な事項を答える課題。
タイヤとボール=ドッジボール(×)、猫とねずみ=足(×)、牛乳とジュース=開ける、パック、飲む(○)、電車とバス=丸いの、走る(○)、クレヨンと鉛筆=描く(○)、ギターとピアノ=カエルの歌(×)、セーターとズボン=未回答、電話とラジオ=未回答

5、絵画配列課題(絵ならべ)
三枚のカードをストーリーに沿って時系列に並べる課題。これは理解が難しかった様子。
すべり台のシーン(×)、起床から登校まで(×)
ピクニックのシーン(IDさんから最初の一枚ヒントとして置くと次のカードは正答出来た)

6、算数課題(算数の計算)
例題が文章問題で、なおかつ言葉のみの提示である為、記憶保持自体が難しかった様子。
クレヨン2本と3本で合計何本?=5本(○)
ノート5冊-1冊=6冊(足し算にしてしまう×)その他、引き算は全て×であった。
画像を見せる課題も同時に行ったが、白いカードで隠して指示された数を残す課題では、4個は正答して9個では誤答であった。

7、積み木模様課題(積み木)
上から見た模様を見本に合わせて並べ替える課題。これはよく出来た様子。
パズル類は得意な様子。

8、単語課題(それはなに?)
口頭で単語を伝えて、その意味や基本的事項を回答する課題。これも誤答多かったが、以前に較べて、関連語がよく出るようになっていて、成長の跡が見えるとの事。
ジュースとは何ですか?=飲む(○)、帽子?=かぶるもの(○)、タオル?=コシコシする(×だいたい伝わるが)、自転車?=こぐもの(△)、チューリップ?=臭い嗅ぐ(×)、うさぎ?=うさぎ、ココハ(小学校で飼っているうさぎ)(×)、スプーン?=食べる(すくうという言葉が出ないので×)、誕生日?=ケーキ(×)

小学校で飼っているうさぎのココハ。うさぎと質問されても、固有名しか思い浮かばない様子。

9、組合せ課題(パズル)
ジグソーパズルの課題。prader-willi症候群の視覚認知の特性として、特に海外でジグソーパズルの研究は繰り返しされているが、特徴として、描かれている絵柄のイメージよりも、各ピースの形を見て組み合わせているらしい。今日の課題でも、ITさんがその辺り注意して観察してくださったのですが、やはり、そのような傾向が少し見られるらしく、今後詳しく検証していただけるようです。
クルマの絵のパズル(半分完成)
女の子の絵のパズル(完成)
馬の絵のパズル(半分完成)
メロンの絵のパズル(未完成 絵柄を見ると、メロンであることは容易に推測できるものであるが、絵柄を意識しない為かうまくいかなかった様子らしい)
人の顔(未完成 これも絵柄を見ると、人の顔あることは容易に推測できるものであるが、絵柄を意識しない為か、口のピースを鼻の位置に置いた為か、うまくいかなかった様子らしい)

Strategies and correlates of jigsaw puzzle and visuospatial performance by persons with prader-willi syndrome.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18702555?ordinalpos=9&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum
Dykens先生の御研究から

10、理解課題(なにをしたらどうなる?)
少し課題として難しいものもあるようですが、社会性の面が伸びている様子。
火を触るとどうなりますか?=燃えてる、アッチッチ(○)
友だちのボールを無くした時どうしますか?=一緒に探す(○、本当はまず謝るだと一番いいけれど)
指をケガした時どうしますか?=保健室へ行く(○、保健室へ行って何をしますか?に対しては先生と喋ると回答)
店の中で財布が落ちているのを見つけたときどうしますか?=落し物センター(×これは少し採点惜しい)
隣の家の窓から黒い煙が出ていました、どうしますか?=雨、家に帰って見る(×)
シートベルトは何故するのか?=危ないから(×これは少し採点惜しい)
自分より小さい子供がケンカを仕掛けてきたらどうしますか?=あやまる(○ とりあえずトラブルに向かわないところ評価)
人の居ない部屋の電気は何故消しますか?=未回答(×)
ナンバープレートは何のために着けますか?=未回答(×)
法律を破った人は何故刑務所に入りますか?=未回答(×)

11、記号探し課題(かたちをさがして)
左側に二つの記号があり、右側の記号群にそれが二つともあるかないか答える課題。これはとてもよく出来た様子。

12、数唱課題(数の暗記)
口頭で2、4と伝えられた数を2、4と口頭で回答する課題。以前は三個まで出来ていたが、今日は長い時間テストした為疲れたのか、二問目でアウト。8、2→2、8の逆唱も難しく出来なかった様子。

13、迷路課題
これはとてもよく出来た様子。3問正答。

得意な課題と苦手な課題とありますが、最初の頃から較べると、集中力も出てきたし、成長の跡が見えてきているとのお話。ITさん、IDさんの丁寧な関わりで、娘も信頼して、何とか回答しようと努力しているようです。そのような関係性が築けるようになってきたということも、とても大事なことですね。感謝致します。IQは知能の一部を示すものであり、今回のテストの結果で、得意不得意なところを見て、次につなげていく。このWISC検査以上に長時間掛かるテストは無いらしく、これだけ集中して取り組めると、今後明るい見通しとの事。