ファン・カレーニョ・デ・ミランダさんの絵

バーチャンの病院見舞いの帰りに、いつもの中古書店に立ち寄る。ここは古い展覧会のカタログがたくさんあるので、楽しい。今日も覗くと、1980年に大阪大丸ミュージアムで開かれた『スペイン絵画・ベラスケスとその時代展』が置いてあり、もしかして、と思って開いてみると、予想通り、17世紀にprader-willi症候群と思われる5歳の娘さんを描いた、ファン・カレーニョ・デ・ミランダさんの「La Monstrua desnude」が載っていた。400円にて即購入。
少し前に、ミランダさんの絵の事を知って、検索してここにも載せていたけれど、http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20050116#art2
25年も前に、大阪に来ていたなんて、奇遇ですね。当時はこの娘さんがprader-willi症候群であるという見解は無かったようで、カタログの記述にも、そのような観点からの説明はありませんね。
手の感じなんかもアーチャンにそっくりですね。年齢も同じだし、このモデルの娘さんが、その後どんな風に生きていったのか、幸せな人生であった事を願わずにはおれません。涙出てきた。

http://www.artrenewal.org/asp/database/art.asp?aid=4155
http://www.artrenewal.org/asp/database/image.asp?id=22258
http://www.artrenewal.org/asp/database/image.asp?id=22259
http://www.artcyclopedia.com/artists/carreno_de_miranda_juan.html
プラド美術館のHPが開きませんので、上のサイトで興味ある方は探してみてください。
ファン・カレーニョ・デ・ミランダの作品から

カタログの解説文より引用
La Monstrua desnude 1680年頃
バルセナス(ブルゴス司教区)に生まれた5歳の少女、エウヘニア・マルティーネス・バリェーホを描いた奇抜で風変わりな作品である。この怪女は、あまりに極端な肥満体であったがため、1680年頃、カルロス2世の時代に王宮に招かれ、カレーニョはその時、裸と着衣で、彼女の肖像を2点制作した。着衣の方も、プラド美術館所蔵である。
本作品は、スペイン絵画ではベラスケスの『鏡のヴィーナス』とゴヤの『裸のマハ』の唯2点を例外とした「裸体画」を正当化するために、ぶどうの蔓や房で彼女を飾り(頭部と下半身)、酒神バッカスにすり変えている。こうして、着衣の同肖像画がもつ奇怪なイメージはいくらか弱められる結果となった。
この2点の肖像は、カレーニョの作品中でもきわめて特異なものと評されてきた。パロミーノは格別本作を称賛し、「彼自らの手で加筆修正された数多くのコピーが生まれた」と記している。しかし今日まで、1点のコピーも確認されていない。技法はきわめて柔らかく、官能的で、ティツィアーノへの理解と習熟を示している。
解説:プラド美術館副館長AEペレス・サンチェス氏