クオリアの謎に挑む

文芸春秋12月号http://www.bunshun.co.jp/honshi/honshi.htmの特集「天才たち」を読む。そのうち、認知科学茂木健一郎さんの章から引用

茂木さんのインタビューから
(前略)「世間ではよく数学や音楽の天才が現れると騒ぎますが、脳の働きからすれば数学や音楽の天才は出現しやすい。そうした能力はサバン(特殊な能力のみが突出した発達障害)の人にも見られるように、脳のあるモジュール(部分)が暴走すればできてしまうんです。ところが文学という分野にサバンはいない。相手に何をどのように伝えるかといった設定条件など、いろんな能力のバランスがとれないと文学はできないんです。(後略)

僕は茂木さんにPWSの空間記憶のこと研究していただこうと、少し前から考えていたんだけど、これを読むと茂木さんの中に既にバリケードできてるようにも感じるが、断定はまだしないでおこう。

他の章で養老孟司(ようろうたけし)さんも少しサヴァン症候群のこととか、書いておられる。こちらはいろんな有名人が実名で出てくる。

省略して転載
俳優のトムクルーズアインシュタインは子供の頃、ディスレクシア失読症)だった。(ここには書いてないけど、この間トムクルーズが日本にきて小泉首相に面会したのは、映画のPRでは無くて失読症の子供達を救う為のキャンペーンだったらしい。そんな大事なことは放送しないんだ日本のメディアは)
古舘伊知郎の脳はMRIで調べると右脳と左脳をつなぐ脳梁の部分がパンパンに膨らんでいる。
CMプランナーの佐藤雅彦さん(バザールでゴザールとかドンタコスったらドンタコスのCM作った人)もディスレクシア失読症)だった。彼はルービックキューブのそろえる為の答の数千種類のパターンが突然目の前にパッと見えたらしい。

実名の方は皆さん公表OKされてるんでしょうね?詳しくは文芸春秋買って読んでください。
養老孟司さんのコメントには、いつもドキッとする部分ある。少し前にNHK教育で特集されインタヴュー聞いていたけれど、彼は幼い頃に父を亡くし、父の死というものを受け入れられないまま人生を過ごしていて、40歳になったある日突然その事を了解し、初めて受け入れることができたと言われていた。膨大な数の死を見つめてきた解剖学者の、その姿に言葉を失った。
養老さんの経験に基づくお話は、ハンディキャップと健常者と天才に壁を設けていないと感じる。
 アメリカの作家ジョン・アーヴィング失読症だったと、小説家の保坂和志さんのHPのなかに書いてあった。「ガープの世界」に出てくる舌を切られたイメージは、彼の暗示かもしれないね。