L'Exposition de Hiroyo KOTANI 小谷廣代展

アーチャンお迎えの帰路、本町へ出て、シェ・ドゥーブルさんへ。カフェのオーナーでもある知人の小谷廣代さんの個展を観ました。
同時開催で、すぐ近くのミリバール ギャラリーでも展示されていて、帰路併せて観ました。(画像転載許諾済)

今回の個展案内状のステートメントに、「意識と無意識が混在する中 ドローイングによる無限の線、点、面が現れてくる」と明記されている。
個人的に私がテーマの一つとしている「意識は瞬間的に世界を切取り断片化し、無意識は緩慢にそれを結合する」イメージを連想します。



無限に続く世界を捉える事は、人間の能力の限界から不可能であり、どこかで断片化せざるを得ない。
ここでは断片化された等身大のドローイングが再度インスタレーションされて、意味を付与されている。
天井、壁、床と繋がり折り曲げて展示されているドローイングを観ていると、円山応挙
「大瀑布図」を連想する。

大瀑布図
http://www.iyashinotera.jp/oukyo.html
総本山圓満院門跡のwebより引用

分離され明快に見えていた筈の作品に近接していくに従い、ドローイングの端部は視界から消えて行き、再び無意識の領域へと繋がっていく。水辺に特徴的な、部分的に曖昧となったエンクロージャーのようなものへ没入していくイメージ。
小さなサイズの近接しても端部の明快さは変らないドローイング群は、流動的な視界のなかに布置された岩のよう。

ミリバール ギャラリーの作品。
シェ・ドゥーブルでの作品群と同様のコンセプトで構成されていましたが、ギャラリー空間のサイズがより大きく、ドライなイメージである為か、作品も強度のある表現となっていました。
床で押えているバーがドローイング内に侵入していて、観る人の没入を誘う。