サンベリーナの世界

うつぼ公園での「はならんまん2011」の帰路、本町にある知人の小谷廣代さんのシェドゥーブルへ行き「サンベリーナの世界」展を観ました。
今朝、うつぼ公園へ行く時に、本町駅のホームで急に呼び止められて降り返ると小谷さんで、展覧会のことお聞きしたので寄ることに。とても繊細なイメージの展覧会。

サンベリーナの世界
http://hoagrafika.blogspot.com/2011/04/le-monde-de-thumbelina.html
michiko eguchi / hoaより

シェ・ドゥーブルさんのギャラリーは、カフェの奥にあり、床の段差のみで開口は繋がっていますが、今日は小さな鉄製のオリジナルの門扉が設えられていました。門扉の中にアンティークの時計が埋め込まれています。そこを開けて中に入ると、テーマにされているサンベリーナという親指姫の家がイメージされて、様々な花と緑に覆われていました。部屋の中央の柱に壁を設けて仕切り、訪れた人は半時計回りにさらに奥に辿り付き、小さなテーブルと木に小さな鳥小屋が何点か。
そして潜戸を開けて元の入口へ。
北半球に住む人は、太陽の運航を見て、時計廻りの回転軸を正しいものと考えたらしい。それ故に古代においても近代においても回転軸は時計回りが採用され、第1回近代オリンピックの陸上トラック競技も現在と反対の、時計廻りの回転軸だったらしい。でもやはり人間の体や感覚の仕組みからみて、半時計回りが最も滑らかに動く事ができるし、現在の形に修正されてきているようですね。(随分前に陸上競技場の計画のお手伝いをしてそのことを知った)
そして、サッカーの審判を始めてから、さらに左対角に走る、対角線審判法を知り、左に巡る半時計回り的な動線が、とてもものを見易く、馴染み易くしてくれる効果のあることも実感した(草サッカーで、反対側にラインズマンが立ち、主審の僕が反対に走らされるという草サッカーならではの珍事経験にて)
シェ・ドゥーブルさんでの展示の流れは、おそらく元もとの建物のプランが支配的であり、それ以外にはなり様がなかったのかもしれないけれど、小さなスペースを再度間仕切りで分割して、小さな渦状の動線とされているところに、メタな意識の存在を感じる。
門扉に組み込まれた時計はシンボリックでとても効果的な印象。