河合晋平博物館
南堀江の萬福寺での花まつり市に出掛ける前に、高島屋のギャラリーへ行きました。リニューアル後、岡本太郎のモザイク画を見に行った際に、ここへ立ち寄り、百貨店の画廊とは思えないような雰囲気の企画を偶然目にして、以来どのような展示されるのか気になっていました。
河合晋平博物館
http://www.shimpei.tank.jp/
高島屋なんば店美術画廊ギャラリーNEXT
http://www.takashimaya.co.jp/osaka/gallery/index.html
まったく知らない作家さんだったのですが、御自身のプロフィールのところに、過去の展覧会の記録を詳細に載せておられて、そこに娘のアーチャンがワークショップなどでお世話になった中西美穂さんの展覧会コメントがあり、なおかつその会場が、知人の経営するシェ・ドゥーブルであったりしたので、これは見ておきたいなと思いました。
現代アートにはあまり興味を示さないアーチャンですが、でもこの展示物は凄く気に入った様子で、途中からは自分のメモ帖にスケッチまで始めました。
特に気に入ったのは、ロールパンでできた生物シリーズと、樹脂のウォーターマーブルのような目玉のような平面作品でした。真中のパーンむしというのがそれです。
想像上の生物たちは、よく見ると全て見慣れた文房具やプラスチックの食器や、電気製品の基盤の既製品のみで作られています。ロールパンも、本物のパンを樹脂で腐敗しないように処理をされたのを使用されているらしい。
最近の傾向としての、廃棄物を利用したアート(例えば藤浩志さんの、かえっこのおもちゃの残骸を利用したトイザウルスであったり、淀川テクニックさんの一連のオブジェなど。工業生産品でなおかつ場所性や個物性を有した廃棄物というカテゴリーを与える事で、そのものの由来の存在に対する根源的な問いを、一旦宙吊にして、仮留め状態にするような)との類縁性を少し感じましたが、ここで用いられている部品類は廃棄物というカテゴリーではなく、どちらかと言えば、ポップなレディーメイドなアートの延長のようにも見えてきます。
でもどこかそうでもないような、ポップアートの陽気さとは異なる、生物的なものと人工物との境界線を巡る、自然でなおかつ気持ちの悪いような感触世界が広がっているようにも感じました。
自分自身で作り上げた想像上の生物の進化の歴史を丹念に作り上げているところ、生物学とアートと装飾品の混じり合った、不思議な感触。