今年の振り返り

アーチャンのことから

今年も無事過す事が出来ました。
アーチャンは14歳、支援学校中学部2年生になり、私達も知らないうちに生徒会選挙に立候補して生徒会長になったり、いろいろビックリさせられたり成長を感じたりした年でした。

学校での行事や日々の生活は、ほぼ昨年の中学1年生で経験したことが繰返される事も多くて、ベースの部分は安定安心していて、そこに少しずつですが、後輩の面倒を見たり、同じクラスのお友達との協働作業など新しい課題を加えていただいて、学んでいったようです。

毎年恒例の10月の「ふよう祭り」では、皆で協働して一人ずつ絵を描き、Tシャツやバンダナ、布カバンなど作り販売もしました。アーチャンも印象に残ったようですね。

ふよう祭り2013
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20131005/school

精神面、行動面では、prader-willi症候群特有の食行動へのこだわりが少しずつ厳しくなってきていて、体重のコントロールもうまくいっておらず、悩む日々ですね。病的肥満にならないうちに、何とか安定してくれればと思いますが、難しい課題です。

いろいろなワークショップへの参加

今年もたくさんのワークショップに家族で参加しました。数えてみると49回参加していました。昨年あたりから、単に参加して楽しむだけでなく、展覧会の作品制作を協働したり、アーチャン自身の自己表現に結び付くようなものへの参加が増えてきたし、本人も喜んで自主的に工夫して参加するようになってきました。これは良い変化だと感じます。
たくさんのワークショップの中から、家族で共通して良いなと感じたものをあげてみます。

2月頃から始まったBreaker Projectさんの大友良英「子どもオーケストラ」ワークショップとライブ参加。
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130317/workshop
偶然通うようになった、今池子供の家さんとBreaker Projectさんが協働されての音楽活動。アーチャンは大友さんが参加されている「音遊びの会」にも、療育園のお友だち通じて交流させていただいたし、本当にラッキーでした。
年末から、再度、来春に向けてのワークショップも新に始まっていますし、とても楽しみです。
今年は大友さん大ブレークだったし本当に良かった。今まで取り組んで来られた、厳しい状況の地域や子どもたちへの音楽支援活動に感謝の気持ちで一杯です。

南港野鳥園 ヘラシギ保護アニメーション作成
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130630/bird
世界の8カ国の子供たち500名が参加されていて、ネットでアニメーションが公開されました。
橋下徹市長の改革によって、南港野鳥園のレンジャーさん達の活動は廃止されました。彼らの自然保護への献身を思うと本当にこの理解の無い政治に怒りを覚えますが、まだ諦めたくないですね。レンジャーさんの中には児童精神科の専門家の方も居られ、我家がどれだけ助言いただいたことか。守りたい。

アートスペースジューソー 「こどもプラスプラス」辺口 芳典「写ルンです」ワークショップ &写真展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130926/workshop

今年新しくできた新・福寿荘内のアートスペースジューソーの谷川恵子さんに出会えたことも今年の嬉しい出来事ですね。アーチャンにいつも温かく接してくださり感謝です。
ここも、Breaker Projectさんの本部があり、Breaker Projectさん通じて知ったアートスペースですが、今年開催された3つの企画展の、どれもが素晴らしく、大きな刺激を受けました。
展覧会については、アートについての振り返りで書きます。

江之子島文化芸術創造センターenoco『未来の姿を写してみる』松本美枝子
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130928/workshop

自発的に、こだわりを持っている霊柩車や棺桶を作って持参し、被写体となったアーチャンの姿には、さすがに驚きましたが、でもピュアな目で見れば、確かに霊柩車や棺桶は美しい物であり、死の何であるか、どのような理解をしているのかまでは分りませんが、そのまま認めてあげたいと思います。
印象的なワークショップ&展覧会でした。

昨年末頃からアーチャンがお世話になっている今池子供の家さんが事務局をされている遊ぼパークプロジェクトでワークショップ担当となり、自分でワークショップを主催する経験を何度かさせていただきました。いろいろなワークショップに参加する立場から主催する側になると、やはりいろいろ大変でしたが、楽しい経験になりました。

にしなりあそぼパークin天下茶屋公園
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130224/artanart

こども元気まつり
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130527/workshop

これは番外編ですが、昨年参加した名村造船所跡のクリエイティブセンターオオサカのヨルムさんの壁画ワークショップでの我家の描いた範囲が大阪市営交通局の広報誌「ノッテオリテ」表紙に掲載されました。(残念ながらこれが最終号に)
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130329/teamartanart
社会へこうしてアーチャンの作ったものが伝わっていく様を、アーチャン自身もある程度理解出来て、嬉しかったようですし、ヨルムさんとの楽しいワークショップの記憶とともに、記録に残りますね。

アートについて
今年は美術館×7回、ギャラリー系×31回の合計38の展覧会を観に行きました。

今年は以前からユニークな企画されてきた、キュレーターの山中俊広さんが御自身のギャラリーを開設され、そこでの企画展でも強い刺激を受けました。
昨年の11月に拝見した、大和郡山でのHANARART展の旧川本邸に参加されていた、5名のアーティストのうち、ここで2名の個展も観ることができましたし、旧川本邸のインパクトは今も私の中で響いている感じがします。
またその都度書き込んだ、当方の拙文を展覧会のレビューとしてギャラリーのホームページに掲載いただきました。もう既に制作をすることはやめてしまった私のようなものにとっては、大きな励みになります、感謝です。

Konohana’s Eye #1 伊吹 拓 展「“ただなか” にいること」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130316/art

Director’s Eye #1  結城 加代子 「SLASH / 09 -回路の折り方を しかし、あとで突然、わかる道順を-」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130619/art

Konohana’s Eye #2 加賀城 健 展「ヴァリアブル・コスモス|Variable Cosmos」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130907/art

Gallerist’s Eye #1 岡本 啓 展「Visible ≡ Invisible」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20131226/art

キュレーターとしての企画展もユニークでした。

「ボーダーレスのゆくえ」展
なんばパークス
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130321/art

ギャラリストのまなざし」展
なんばパークス
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20131207/art

それから、やはり繰り返しになりますが、今年新しくできた新・福寿荘内のアートスペースジューソーの谷川恵子さんに出会えたことも今年の嬉しい出来事。
3つの企画展は、私のもう古くてどうしようもない思考を揺さぶり、新しいエネルギーやイメージを与えていただいた。増本さんとの対話は今までの自分の思考を振り返る機会にもなりましたし、これからまた新しい思考を得る為のきっかけを与えていただいたようにも思います。

増本泰斗個展 「場所との対話、フリースタイル」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130504/art
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130511/art3

「こどもプラスプラス」辺口 芳典「写ルンです」ワークショップ &写真展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130926/workshop

「ばきりノす 音の展覧会、まほろば荘 音のすみか」展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20131214/art

今年はランドスケープ的な感覚をテーマにした展覧会を多く観る機会があり、ランドスケープというエンクロージャーについて考えたり、スケールについて考える総合的なアプローチがアートにおいても有効であることの再確認ができたと感じました。

前谷康太郎「samsaara(輪廻転生)」應典院
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130112/art

妻木良三「幻標」展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130127/art
梅香堂

松井紫朗 展 「Forwards Backwards」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130531/art
アートコートギャラリー

工藤哲巳回顧展
http://www.tetsumi-kudo-ex.com/
国立国際美術館

大宮エリー
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/news/detail.cgi?seq=0000319&type=2&t=2
dddギャラリー

日本美術に関しても素晴らしい展覧会がありました。
再認識する機会。

ボストン美術館 日本美術の至宝」展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130511/art
大阪市立美術館

田辺小竹・彦十蒔絵展(プライスコレクションの若冲
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130428/art4
なんば高島屋

岡部嶺男展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20130821/art1
阪急百貨店
重文贋作を告白した陶芸家の展覧会というとエキセントリックですが、多様な技法に圧倒されました。

最後に、私にとってとても嬉しかった信濃橋画廊コレクション展。アマチュアの私をずっと励ましてくださった、信濃橋画廊の山口勝子さん、アドバイスしてくださった福岡道雄先生、改めて感謝です。

兵庫県立美術館 2013年度コレクション展 特集「信濃橋画廊コレクションを中心に」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20131027/art