やっぱり本が好き!国際ブック・アート・ピクニック

午後、應典院さんへ行き、コスタリカの美術家ロセラ・マトモロスさんによる、ブック・アート・ワークショップA『リフレクト・アクション〜素材を交換して本をつくろう!〜』に家族で参加してきました。とても楽しい時間を過ごす事ができました。途上休憩時間にはコスタリカのコーヒーをいれて頂きとてもおいしかったですね、主催者の皆さん感謝です。
(このワークショップ企画された大阪アーツアポリアの中西美穂さんには、昨年、ホネホネアートワークショップでお世話になりました。重ねて感謝です)

やっぱり本が好き!国際ブック・アート・ピクニック
http://bookartpic.exblog.jp/

昨日、中崎町のitohenギャラリーで大きな本を使ったインスタレーションを拝見して、あんな感じの大きな本を参加者全員で作るんだろうなと想像していました。
いつも能天気な我家は昼御飯何食べるかで黒門市場うろうろ探しているうちに遅くなり、遅刻して会場に入った時には、既に皆さん部屋の中央に置かれた長机の両方に分かれて向かい合って座り、それぞれにドローイング始めているところでした。
ロセラ・マトモロスさんが詩的なメッセージを言われて、通訳され、それを手掛かりにイメージをペンでドローイングしていく。メッセージは対照的なもので、例えば「死」に対して生命のような感じで、A4サイズくらいの紙の左右にその対照的なイメージを描いていく。しかもそのピッチが20秒でひとつのテーマを描ききるというハードなもの。無意識に描く事を特に強調してコメントされていた事が印象的。
我家はアーチャンへのアートセラピー的な関わりと、それとカーチャンが通っている障害者会館でのプログラム作りの参考にしたいという思いがあって、参加したのですが、アーチャンには少しハード過ぎて、最初は何しているのか訳分からなくて、こちらと同様にとまどっていました。そして最後に自画像描いて下さいと言われて、これは何とかアーチャンも描く事ができました。
そして、これは練習と思っていたら、今描いたドローイングの中で、自分が一番気に入ったものを掲げてくださいと言われ、アーチャンは最後に描いた、自画像を見せています。そしてここからが大変でした。その絵を参加者の人数分の21枚コピーしますと。僕は手抜き王なので、てっきりカラコピーしてくれると思っていたら、コスタリカのいろいろな紙(バナナとかコーヒーなどで出来たもの)が配られて、それに自分で描いて、皆と交換するという。
アーチャンには無理やな、と思いましたが、とりあえず描き始めたら、周囲の方が猛スピードで描いているので、スタッフさんに、これ全部どれくらいの時間で描くのですかと尋ねると、「1枚20秒」それは無茶やなと思ったけれど、試しにカーチャンが1,2,3・・18,19,20とカウントしてみると、アーチャンも遊び気分になって、バンバン描き始め、全部描き切り、配った後での追加含めて23枚も描きました。アーチャンはここでエネルギー使い果たし、後は、ぬいぐるみのチーチャンのお世話の世界に没入。

アーチャンの描いた23枚の自画像、もしくは誰かの顔。ほとんど殴り描きだし、本人も最初に描いた自画像をコピーしているという認識は無い感じで、ひたすら顔を描いていたという様子。全部並べるとたくさん過ぎるので、一枚にまとめて、アニメーション表示にしました。

次に、参加者21名の方と、描いた絵を交換しました。それをベースに自分の本作りを始めます。そこに持参した写真や絵などいろいろものを挿入したり、コラージュを自由に進めます。参加者の持ち寄ったものを交換したり。アーチャンも一枚だけ交換しました。
ロセラ・マトモロスさんから、本としてまとめるテーマを決めて作る事、後で各自発表してもらうなどコメントがあり、何にも考えてこなかったし、アーチャンはエネルギー使い果たしてるし、テーマを決めたりとかは少し難しいので、カーチャンと二人であーでもないこーでもないと話し合いしたのですが、決まらなくて、隣の方から「無理にテーマ決めなくて良いですよ」とアドバイスいただいたのですが、ノンテーマとするのも何か面白くないなと思っていると、他の参加者さんが、アーチャンの持ってきた絵を気に入ってくださって、交換、アーチャンが貰ったのが、赤い笠をさす黒いカエルさんだったので、それを見ているうちに、他のドローイングが水の流れる風景に見えてきたので、それを組み合わせて、抽象的なドローイングをランドスケープに見立てて、具象的なドローイングをそこで出合った人や動物ということにして、この企画のテーマでもある「ピクニック」に出かけた時の話にまとめてみることにしました。途中そんなやりとりをアーチャンともしながら、ピクニックで良い?と聞いて、良さそうだったのでそのまま進めました。

今日制作した本(他の方の画像は主催者さんから、名前等削除条件に掲載許諾済み)
1、2:アーチャンと公園にピクニックへ

3、4:水辺に着きました

5、6:赤い笠をさした黒いカエルさんに出会いました

7、8:黄色い丘でキノコ見つけました

9,10:茶色い猫に出会いました

11、12:ピンクのブタさんに出会いました

13,14:カップルに出会いました

15,16:外国から来られた方に出会いました

17,18:男の人に出会いました

19,20:かわいい女の子に出会いました

21、22:尖った顔の人に出会いました

23、24:それからお弁当食べるところ探しました

25、26:みんなでお弁当を食べました(これは最初にアーチャンが描いたドローイング)

27:ロセラ・マトモロスさんから頂いたドローイング
アーチャンはこれを見て、イチゴが並んでいてデザートをイメージしたようです(僕たちには感嘆符にしか見えないけれど、子供にはいろいろ異なったイメージがあるようだ)

最後に、参加者全員の本を机の上に並べて記念撮影。最初白いクロスの上に本を並べた状態だったのですが、ロセラ・マトモロスさんが、黒い布を敷きましょうと提案が有り、大急ぎでスタッフさんが黒いエプロンやら暗幕みたいな布を調達。

ワークショップ終了後、昨日itohenギャラリーで見て気になっていた壁に直接描かれたドローイングのこと、聞いてみようと、中西さんに通訳頼もうと思って、お聞きすると、ロセラ・マトモロスさんから既に詳しく説明受けておられるとの事で、教えていただけました。
ピラミッド型のシンボルは母のイメージを示していて(最近、ロセラ・マトモロスさんのお母さん亡くなられたそうです)、それはとても大きな存在であったこと、でも・・・と続いていくようなイメージらしい。僕の感じたイメージの「左端に描かれたピラミッドを俯瞰的に見たような線描が印象的で、人間的な能力の限界によって、決して事物の裏側も含めた全体像を獲得できない様を、だからと言って、諦観する訳でもなく、圧倒され驚きながらも、人間的なちからによって世界と応答し続ける姿のようで、ユニークなものと感じた」については、それも解釈として有りだし、断定的に言われている訳でもないのでとの事でした。