ギャラリー・インカーブ

3年前に訪問して見学http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20040929/artさせていただいた、アート制作を活動の中核にされている指定生活介護事業所のアトリエ・インカーブさんの期間限定ギャラリーが心斎橋にオープンして、約半年間、順次アトリエで制作されているアーティストさんの個展を開催されるそうです。来年には、天保山サントリーミュージアムでアトリエ紹介の大掛かりな展覧会があるそうで、とても楽しみですね。日本の美術館では、アールブリュット的なアートを取り上げる事は、ほとんど無いので、画期的な展覧会になると期待します。
今日は、「TERAO」展(寺尾勝広さん)を観てきました。

http://g-incurve.jp/top.html
ギャラリー・インカーブのHPより

展示は、鉄の加工用図面の加工記号を無限に反復していくような、モノクロームのドローイング群と、コラージュの紙片に、同じく加工用の記号が埋められた鮮やかな色彩の作品群。
寺尾さんの御実家が、鉄工所されていたことから、鉄を加工する前に必要な図面の作図などに親しんでおられたらしく、アトリエインカーブさんとの出会いとともに、寺尾さんの鉄加工や作図自体がアートとして導き出されている。彼自身、アート制作というより、鉄加工の仕事のひとつのように認識されているらしい。
会場に置かれたモニターには、寺尾さんが笑顔で、いろいろと廻りの方に話し掛けながら制作を楽しんでいるところが写し出されています。
三年前にも、寺尾さんの作品拝見していましたが、作品サイズも、かなり大きくなり、密度も強度も上がり、アールブリュットという括りかた自体いらないクオリティに達していて、正直言って、アールブリュットの括りかたをされた作品で、僕自身、今まで、あまり感動したことは無かったのですが、ずっと見続けたくなるアートでした。多くの方に見ていただきたいですね。