<カイエ・ダール>岡本太郎編集・語られなかった「未知」

深夜作業終了、古本屋で見つけた「芸術新潮1978年7月号」を読む。西洋近代の価値観から遠い、縄文的なもの、ケルト、ナスカ等の美術に光を当てた論考。とても素晴らしい。
一部引用

メドゥーサのような祭礼用髪飾り(初期ペルー・ナスカ)に対する岡本太郎氏のコメント

顔は宇宙全体だ。
顔は己であり、他である。
このど真中にある目こそ、宇宙との交流の穴。
それは土で作られてあろうが、金属だろうが、生きた穴なのである。
顔の中に、また無限の顔、そして目玉が光っている。そこに言いようのない実在感を覚えるのだ。

僕がランドスケープデザインについて考える時、手掛かりとしている「顔/カオス」(構築物は顔とカオスの中間体、デザインの様相はその濃度)というイメージが、ここでは、もっと強烈に述べられている。岡本太郎氏が、太陽の塔作られて、しばらくしての時期のテキスト。「それは土で作られてあろうが、金属だろうが、生きた穴なのである」というところ、心に響いてくる。