2004-07-25から1日間の記事一覧

PWSの不適応行動が出やすいことを周囲に理解してもらうプロセス

これだけのIQを持つ子が社会に適応できる方法を皆で考えよう。 機能的MRIによる脳研究、大野先生の鳥取大学で御予定(研究参加者募集中との事) 自閉症、ADHDの専門家との交流も方法。親の会と基礎研究者、臨床医との交流も大事。 PUBMED等ネットでの情報収…

知的障害による部分

食欲によるストレス(常に食欲を抑えている為、情緒不安定。ストレスを減らす伝え方が大事である。環境変わると急に過食になったりする、母親に受け入れられようとして、我慢しているという部分もある。)

認知障害による部分

耳で言葉聞いて理解するより、目で見て認識する方が得意である。絵カードの利用が考えられる。 予定が狂うと混乱して怒る。対処として、予定を事前によく伝える工夫が必要、この辺りは自閉症と似ている。 喋る割に理解していない可能性がある。 年長の親は何…

PWSに共通した認知障害と性格的特徴の理解と教育的配慮について

PWSに特異な脳機能の障害についての現在の糸口

1、異常な食欲に関して、何故グレリンの血中濃度が高いのか?(視床下部の機能異常?) グレリンが低下するとかんしゃくが減るという研究も最近報告されている。 2、GABAA受容体が前頭葉、側頭葉、帯状回で減少している。GABAA受容体=興奮を抑制する。GABAA…

4-4 PWSの不適応行動の理解

PWSの不適応行動の理解については以下の3つのステップについて考えていく必要がある。 1、PWSの遺伝子の欠陥によって脳におこる解剖学、分子生物学的変化の理解=医学的アプローチの開発 2、遺伝子の欠陥による脳機能障害の結果おこる共通の性格、認知、行…

4-3、精神症状

感情障害(躁鬱)、強迫性障害(同じ事の繰り返し行動)等は投薬で対応可能なことが多い。

IQ値に較べて就労・社会生活能力が低い、これらの原因は何故か?

頻度の高い行動・情緒の障害 かんしゃく、頑固、一つの行動・考えにとらわれる、日常の小さな変化に混乱、些細な事で泣く、寡動、食べ物を得るため何でもする、嘘をつく、気分が変わる等

4-2、知能と行動

PWSの知能 IQ 正常 境界 軽度 中等度 重度 不明 7歳未満 4.8% 11.3% 11.3% 0% 1.6% 62.9% 7から18歳 1.2% 18.3% 25.6% 17.1% 4.9% 31.7% 18歳以上 0% 3.4% 27.6% 51.7% 0% 13.8% IQ (正常>85)(境界70〜84)(軽度52〜69)(中等度36〜51)(重度 (参考:…

異常な食欲・肥満と関係する問題行動

日本でのアンケート調査から 7歳未満 7から18歳 18歳以上 過食 15% 60% 80% 盗み食い 15% 65% 80% 過眠 5% 20% 50% 睡眠時無呼吸 5% 10% 10% 過食症が何故幼児期に発症しないのか、その原因は不明である。 最近、グレリンが注目されている。グレ…

4-1、食欲と肥満、糖尿病

PWSは出生時体重が小さい。生後数ヶ月の体重減少が激しいが原因はミルクを飲まないという事だけでは説明できない部分もあり、不明である。出生後は身長、体重共、成長曲線は-2SD以下であるが、体重は食欲の出る時期を境に上昇し5歳頃に+SDを超える。身長は学…

4、PWSの病的側面

3-2、PWSの死亡原因

アメリカでの報告例(5歳以下の死亡、日本では報告例少ない) 5歳以下 発熱後の急死(原因としてPWSでは副腎が小さい事が関連している) ストレス耐性が弱い 腸炎 呼吸不全 年長児・成人 心不全・呼吸不全(肥満・糖尿病による) 風呂での溺死(過眠) 急性…

3-1、PWSの出生頻度

鳥取県の場合 15000人に一人(1994年) アメリカの場合 16000人に一人(1990年) 推計頻度として10000人〜15000人に一人であり、日本の推計患者数は寿命が健常者と同じとすれば、8500人程度と考えられる。各地域の養護学校におおむね一人は居ると思われる。

2、PWSの発症機構

15番染色体長腕の15q11〜13の領域にあるが、原因遺伝子はまだ完全には特定できていない。 この領域に父からの遺伝子しか読まないものと母からの遺伝子しか読まないものとがあるが、父の側の遺伝子失うとPWSとなり、母の側失うと、アンジェルマン症候群にな…

1、PWSの診断

病気として発見されたのは1950年代。自分が勤務を始めた頃は、先輩医師でPWSを診た人は誰も居なかった。私が最初に診たPWSの患者さんは、現在では成人されている。生まれた時の特徴として色が白い、目は一重瞼が多い、アーモンド状の形、ミルクを飲まない(3…

「知的・行動障害の背景にあるもの」プラダーウィリー症候群(PWS)の病気の特性

大野耕策先生(鳥取大学・医学部・脳幹性疾患研究施設・脳神経小児科部門)講演会

題名:「知的・行動障害の背景にあるもの」 主催:竹の子の会近畿支部 日時:2004年7月10日 場所:東淀川勤労者センター

 大野耕策先生講演会の記録

講演会ありがとうございました。先生のユニークな御話と共に、初めて知る情報もあり、参加して良かったと感じました。お母さん方の応答も良かったですね。 講演の記録メモ整理してみました。大野先生に読んでいただき、少し手を入れていただきました。「参加…