2、PWSの発症機構

15番染色体長腕の15q11〜13の領域にあるが、原因遺伝子はまだ完全には特定できていない。
この領域に父からの遺伝子しか読まないものと母からの遺伝子しか読まないものとがあるが、父の側の遺伝子失うとPWSとなり、母の側失うと、アンジェルマン症候群になる。父親側の欠失タイプ以外に片親性ダイソミー(この領域では読まれない母親の遺伝子が2重にある場合)と稀に相互転座タイプがある。父親側の欠失タイプでは全ての精子において遺伝子の変異がある訳ではないので、次の子供でもPWSが出生する確率はPWSが出生する確率と同じぐらいか僅かに高い程度と考えられる。
但し、父親が相互転座タイプの場合、他のタイプとは異なりPWSが遺伝する。
各タイプによって、PWSの性格は少し異なっている。最近の研究では、父親側の欠失タイプはジグソーパズルが得意、片親性ダイソミーは自閉的傾向がある等の報告がある。

PWSとジグソーパズルの能力(Dykens 2002)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=11944876
片親性ダイソミーは自閉性スペクトラム障害の傾向
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=14991431