2020年2月16日(日曜)
午後、北加賀屋駅に出て、クリエイティブセンター大阪(名村造船所跡)に行き、中嶋佑一展を観ました。
あいにくの雨で、展示室のフロント部分は屋根が雨音を受けて凄く響いていました。
ただ、それが展示の効果音のようにも感じられ、やや全体的に不気味な外形的な印象をより強調するかのようでした。
知らない作家さんでしたが、在廊されていて、少しお話も伺えたので、理解の端緒は得られましたが、謎の多い表現群でした。
舞台衣装のデザインをされている方のようで、作品も衣服に関わるものがメインでした。
中央の吊るされた、衣服とモデル達の写真パネルと、ポーズのまま人間が抜け出した(中嶋さんの説明)床に落ちてポーズのまま平面に投影されたような表現。
周囲に散在する、吊られた袖を縫い合わせたズボンのような、たぶん履けない衣服。
半透明の袋に入れられて、暗さもあって、デザインも判然としない床に置かれた衣服群。
極端にスケールが縮小、拡大されて、着脱不可能な衣服群。
舞台状のところに置かれた、巨大な傘と、そこから吊られた衣服=千人針的に縫われ、戦争中生き延びることを祈った様式に倣った表現(一部中嶋さんの説明)
それらが、やや諧謔的に象られている。
馴染み易い日常的な衣服のスケールが地続きで、スケールアウトな衣服につながっていて、シンボリックな、距離や大きさに依存しない、文字のような存在と化した部分と、生身の身体の延長な部分とが、シームレスにつながり、ユニークな表現と感じました。