藤崎 了一「Vector of Energy」展

夕方、西九条へ出て、the three konohanaさんへ行き、Gallerist’s Eye #2 藤崎 了一「Vector of Energy」展を観ました。

Gallerist’s Eye #2 藤崎 了一「Vector of Energy」
http://thethree.net/category/exhibitions
the three konohanaのwebより引用

まったく知らないアーティストさんでしたが、泡宇宙のようなマーブリング映像の作品に強くシンパシーを感じました。
(詳細な記録は後日書きたいと思いますので、とりあえずメモ)
マーブリングの静止画と動画、それに石膏によるオブジェ3点と、昨日ギャラリーでパフォーマンスされた後の壊された家具類と、そのパフォーマンス映像。
ちょうど、熊本の震災があった直後なので、少しショックな内容でもありますが、個人的にはいろいろなイメージを連想させる、ユニークな試みと感じました。
家具類に無意識に感じる親密さと、それが解体され消失していく瞬間のような。
少し前に拝見した、「クロニクル、クロニクル!」展で、1950年代生まれの3名の作家たちが、偶然なのか、身近な机や手鏡を作品中に取り込むことで、実に親密な関係を生んでいたことと、新しい世代の彫刻家が、運搬用パレットに野菜や人体の模造の破片など置いて、またそれらをパフォーマンス的に壊す(一応料理のイメージらしい)、破壊衝動混じりなクリエイションとが、二つ重なりあったような、そんな印象がありました。

「クロニクル、クロニクル!」展
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20160223/art

また、梅香堂で拝見した中崎透さんの個展での、2階の床から、外部で組み立てていた仮説物を解体して、1階に落としていくパフォーマンスとその残骸と映像の、衝撃的な作品も思い出しました。

「エピソード:鼻歌まじりの引越の時間はいつかは終わる。だから僕はなるべく回り道をする」展の感想。
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20111217/art2

藤崎さんの破壊パフォーマンス観ていて、あともうひとつ、芸能の原点ともされる、鎌倉時代の踊り念仏のような、演者である僧侶とそれを見ている観客(信者)とが、しだいにトランス状態となり、床を踏み抜いて家を壊してしまうような、イメージを連想させます。

一遍上人絵伝
http://www.emuseum.jp/detail/100156/000/000?mode=detail&d_lang=ja&s_lang=ja&class=&title=&c_e=®ion=&era=¢ury=&cptype=&owner=&pos=17&num=4

藤崎さん在廊されていて、いろいろお話できましたが、そのエネルギッシュなイメージとは対局的な、実に繊細な、作品の隅々まできっちり作りこんだクオリティの高いスキルが、主張なく為されているところが良いですね。
来週、トークショーとのこと、再訪してみたいですね。
刺激的な展示感謝。