耐震補強工法「壁柱」

仕事でお手伝いしていた耐震補強工法「壁柱」のモデルが完成し、26日の住吉区民ホールでの防災講演会でお披露目しました。
(転載許諾済)

命を守る防災講演会
2015年9月26日(土曜日)
住之江区民ホール
http://www.mokuzai.or.jp/pdf/2015/20150908-2.pdf
壁柱の考案者の京都大学防災研究所の川瀬教授の耐震補強の講演もありました。

耐震補強工法「壁柱」
http://www.mokuzai.or.jp/kabebashira/index.html
一般社団法人 大阪府木材連合会

詳しくは上記の解説を読んで頂きたいのですが、他の耐震補強工法に較べて粘り強く変形しつつ耐えるので、巨大震災に見舞われても崩壊せず耐える工法です。
全体を補強するのが理想ですが、一部屋補強の場合でも、補強されていない他の柱が荷重負担能力を失った状況でもその荷重を分担し全体の崩壊を防ぐ効果があるとされています。
今回のモデルは、その一部屋補強の場合で、壁がある時、無い時をボタン操作で壁を上下させ、揺らした時の揺れの違いでその効果を知っていただこうと企画されたものです。

壁柱の無い時
一旦壁が下がり揺れます。

壁柱の有る時
揺れをしなやかに吸収しています。

正面の外観
壁柱のアップダウンのメカニズムを下部の箱に仕込んでいるのですが、それを覗けるように窓を開けています。

側面の外観

操作ボタン
初めてゆるキャラのデザインも手掛けてみました。見ていただきたい観客層をイベントに来られるファミリー層を想定しているので、小さい子どもたちに興味もって欲しいと思います。

今回の壁柱モデルは、二人の方に協働して頂きました。
お二人とは、昨年アーチャンがお世話になったenocoでの自動販売機のワークショップを企画されたアーティストの米子匡司さんと、米子さんと協働して自動販売機の制作されたPOS建築観察設計研究所の大川輝さんです。

「?を自動販売機で売ろう! ワークショップ」
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20140824/artanart

FLOAT
http://float.chochopin.net/
米子匡司さんのアートスペース

POS建築観察設計研究所
http://pos-lab.com/index.html

ちょうど、自動販売機のワークショップが始まった頃に、壁柱モデルの依頼があり、自動販売機のユニークさを感じたところだったので、お二人にお願いしようと思いました。
そして、本当に奇跡のようなことですが、何と大川さんのPOS建築観察設計研究所のある、このはな区の「モトタバコヤ」が、実はこの壁柱工法の試験施行の第一号の建物だったのです。
私もプロジェクトに途中参加なので、初期バージョンのこと知りませんでしたから、本当に不思議な縁だと思います。(しかも出合ったワークショップは直前に気付いて申込んだのですがキャンセルが出たおかげで知合えたという、これも縁ですね)
モックアップで試作しながら、少しずつ制作していくという、私もあまり今まで経験したことのない、進め方でしたが、とても刺激的で良い体験となりました。
お二人に感謝です。