「お披露目!博物館に届いた新しい標本」展

連休初日、朝から昭和町でのお祭で少し遊んでから午後、長居公園へ。大阪市立自然史博物館へ行き「お披露目!博物館に届いた新しい標本」を家族で観てきました。

「お披露目!博物館に届いた新しい標本」展
大阪市立自然史博物館
http://www.omnh.net/whatsnew/2011/03/20110429.html

この展覧会は初日の今日は、blogに展覧会の紹介記事を書く人を無料招待(事前申込み)という事で、見た後でこのblogの書き込みを博物館にメールしてということなので、取材のような気分で楽しみにして行きました。
今回の展示は、会場に掲示されていた館長さんからのメッセージ(これをHPやパンフレットにも載せて欲しいなと希望します)読んで、とてもよく伝わってきたのですが、通常は標本のほとんどは展示されることなく、地下の収蔵庫で保管され、研究者さんがここを訪れて、自然の記録を明らかにしていく地道な作業の繰り返しであるらしい。それを今回研究員さんの選りすぐりの資料を公開することで、博物館の仕事のベースの部分を知ることが出来るようです。メッセージに「博物館が標本を収集する活動は、私たちをとりまく自然のデーターベースを作り、後世に遺す営みといえるでしょう」とあり、とても重要な言葉と感じました。
特に3月の震災以来、日本の歴史に残された事象や、それよりも過去の有史以前の自然や地殻変動等のデーターの蓄積がとても重要であることを再認識したところですし、今回の展示にも、それを意識された内容が含まれていると感じました。
そんな事を思いつつ会場を巡りましたが、二万点という数に訪れる前は相当大規模な展示と思っていたのですが、蝶や昆虫のケースに無数の標本がレイアウトされていて、それが標本のうち過半であるらしく、会場自体はとてもコンパクトな印象でした。
今回の展示は、多様なジャンルの展示がされているので、家族それぞれが興味を持っているものが有りましたし、その中から好きなものを選んで、家族で会話しながら、集中して観ることが出来ました。
カーチャンは植物好きだし、植物標本を、アーチャンは少し難しいかなと心配していましたが蝶と虫たちに興味を示していました。僕は建築関連の仕事柄と、やはり震災との関連で断層周辺のボーリングデーターを注視していました。(以下の画像転載許諾済み)

カーチャンが特に興味を持ったのは、アキノギンリョウソウという葉緑素を持たない不思議な植物。
新名神高速道路建設予定地の植物標本(20点)」のうちの一点。
学生の頃に先生から、ギンリョウソウを大阪で見つけたら褒美をあげるといわれた事が今でも印象に残っているらしく、そのエピソードを言っていました。キノコ類に寄生して共生する生態らしく、開花の時だけ地表に現れるので見付け難いらしい。葉緑素持たないので半透明でとても美しい姿ですが、でも標本はすぐに変色してしまうものらしく、真っ黒なシルエットの状態でした。


ところが何とラッキーなことに、2日後の5月1日に、南港野鳥園さんでの観察会のイベントに家族で参加したところ、園内にギンリョウソウが自生していて、園長さんが案内してくださり、生きている状態のものを見る事ができました。カーチャンとても興奮。本当に妖精のような美しさ。

アーチャンは様々な美しい蝶が気に入った様子。
「小路嘉明(しょうじよしあき)コレクション(日本産蝶類)(15,873点)」より

特にヒメヒカゲの丸い模様が目玉に見えたようです。緑色の光沢のシジミチョウもお気に入り。

僕は、「京阪中之島線ボーリング資料(1箱)」と「大阪平野地下に残された古墳時代の海岸線(2点)」を。そのうち中之島線の上町断層のところのボーリング資料を集中して見ました。最後の断層の変異が有史以前らしく、まだどのようなサイクルで断層が動いてきたのか全容も定かでは無いらしい上町断層ですが、でも大阪市の中央部を縦断していますし、都市インフラもこの断層をまたいでいかざるを得ません。断層前後の三点をボーリング調査して、地層のすべりを図で表示されていましたが、気の遠くなるような時間を経て形成された断層は、やはり事実として見るほかありませんし、個人の人間の時間のスケールを超えたサイクルの中での出来事として、杞憂の事として意識しないでも良い事なのか、どうなのか分りませんが、このような調査を継続して記録していくことで、大阪の地盤の姿と断層の全容を判明させることが急務と感じました。

展示を見終わってクジラのポーチのところへ出ると、クジラ・スタンプラリーというイベントされていたので、さっそく参加。それからポーチでされていた、子供が自分の手のひらをなぞって名前を描くワークショップにも参加しました。その後、そのまま長居植物園に出て、ハーブ園でおやつして、ボタン園など廻りました。

この自然史博物館を含む長居公園と植物園は、私達家族の思いとして、娘のアーチャンがすぐ近くの療育園(大阪発達総合療育センター)に1歳過ぎくらいから今まで、カーチャンが毎日地下鉄に乗り、バギーを押して通って来たので、帰路休憩に立ち寄って癒されてきたし、成長とともに、様々に開催されるワークショップに家族で、たくさん参加させていただいた事もあり、まだしばらく療育園にも通う予定ですし、特別な場所でもあります。
また、単に展示物を見るだけでなく、ワークショップに参加して、展示のお手伝いでバックヤード見学させていただいたり、立体的に知る機会があるので、自然に対する理解が多重に出来てきます。
下記に我家が参加した大阪市立自然史博物館での過去のワークショップ等の参加記録のリンクを記します。今日は楽しい時間感謝です。これからもよろしく御願い致します。

2011年3月20日「子どもとつくる春の押し花メッセージカード」
2010年11月21日「大阪バードフェスティバル2010」
2010年8月8日「淀川大図鑑展」
2009年11月15日「大阪自然史フェスティバル2009とオータムフェア2009」
2009年6月28日〜8月30日「ホネホネ探検隊展」
2009年4月5日「貝殻ワークショップ」
2008年11月16日「かんさい自然フェスタ2008」
2008年9月14日「ダーウィン展」&「親子で作ろう!動物パン作り教室」