NHKスペシャル ドキュメンタリードラマ「望郷」を観る

シベリア抑留経験者の実話。極限状況の中でのルーマニア人捕虜との友情と50数年後の奇跡の再会を、ドキュメント映像と抑留中の回想シーンのドラマで構成。

http://www.nhk.or.jp/special/
NHKスペシャルのHPより

凍土の約束―50年かけて果たしたラーゲリの誓い

凍土の約束―50年かけて果たしたラーゲリの誓い

僕の亡父も二十歳の時、何年間かシベリア抑留され、指先の一部を凍傷で失っていて、抑留体験については思い出したくなかったのか、一度も話聞いた事無いし、僕も触れずにいたから、実際のところは(聞いていたとしても)よく知らないでいた。父の死後、少しづつですが、機会があれば資料とか読んでいますが、やはり想像を絶する収容生活であったようですね。
60万人の捕虜のうち、約6万人が抑留中に亡くなっている。そして、抑留期間中の強制労働に対する賃金が何故か支払われないまま、現在も尚、裁判で訴えている多数の抑留経験者達(終戦60年ですから、皆さん80歳越えているだろう)が居られるという事にも驚いた。
国が父に対して支払ったのは、戦後40年以上経った、バブル経済の末期の1989年、海部俊樹首相当時、労働の対価としてではなく、慰労金として、国債10万円分と記念の銀杯、感謝状のみであった。たぶん、他の抑留者も同じような状況だろうと思う。僕は請求運動に参加する意志は無いけれど、見えてくるのは自国であれ他国であれ、国家や組織というものの残酷さ(もしくは、そのようなものへ過剰に傾斜していく人間)であろうか。
ドラマ観て、生き延びてくれた父に改めて感謝したい。