東京中央郵便局

今朝TVを付けると評論家が郵政民営化について、いろいろ意見を述べていた。民営化自体には何の興味も無い。ただ我が耳が目覚めたのは、評論家が郵便局の効率の悪さの一例として、東京中央郵便局のような駅前の一等地の建物を、何故もっと効率的に利用しないか(多分建替えて高層化して、賃料かせげという意見)疑問を投げかけていたからだ。そのこと自体は経済の論理から言えば、まっとうな意見と思うし、異論は無い。ただ、都市における近代の遺産であり、多くの人々の記憶にある優雅な建築を、経済性の側面だけから簡単に語るのは、つまらないな、と思う。第二次世界大戦前のファシズムの時代、設計者の逓信省の吉田鉄郎氏は何を考え、あのようなモダニズム建築を作ったのか、その意義を知ることは、郵便局の収益と同じ天秤では測れないものだ(大阪中央郵便局も建替えの議論が起きるでしょうね。こちらも、同じ吉田鉄郎氏によるもの)

文化遺産としてのモダニズム建築 DOCOMOMO100選展
http://www.mew.co.jp/corp/museum/kaisai.html

http://www.japan-architect.co.jp/japanese/2maga/ja/ja0057/top.html
JA57:文化遺産としてのモダニズム建築DOCOMOMO100選

「戦時下日本の建築家」(井上章一著)を読むと、この時代のユニークさが伝わってくる。