人間の記憶のなかの戦争―カロ/ゴヤ/ドーミエを読む(借りる)

ジャック・カロの関連で検索して、図書館から少し前に借りていた。
これは戦争画ということに焦点を当てて三人の画家の作品をまとめているので、画集というより思想的な側面が強い編集。序文に故遠藤周作さんのアウシュビッツ訪問記があり、コルベ神父の自己犠牲のエピソード読んで少し重い気分になる。
カロが戦争画を描いた本当の理由はよく分からないですね。戦争画の中に視覚的な遊びの部分もあるし、彼は少し複雑な精神の人であったのだろうと思う。伊丹市立美術館でのカロ展と同時に展示されているゴヤ版画集『戦争の惨禍』http://www.artmuseum-itami.jp/goya.htmlと見比べてみれば、その意識の差の部分は、はっきりと感じられると思う。
この本のなかに、「戦争の惨禍」はカロの死後に版権を買い取った親しい出版者によって出版されたとあった。カロは死の直前まで「戦争の惨禍」に手を入れていたようだ。

人間の記憶のなかの戦争―カロ/ゴヤ/ドーミエ

人間の記憶のなかの戦争―カロ/ゴヤ/ドーミエ