「新撰組!」第12回「西へ!」を見る

いよいよ西へ出発の時ですね。三谷幸喜さんが本当に力を入れて描きたいのは、多分こんな風に良く整理された混乱劇だろうと想像する。個人においても組織においても全体を見渡している人間が不在である感じを、皆がバラバラ思い思いの動きの中に描いている。明確な目的も無く参加した旨を表明する芹沢鴨の不気味さは、バラバラな動きの中で、一つの虚点のように全体を相対化している。でも場面のイメージは近藤勇含めたバラバラな人々のまとまりの無さをベースに描いていて、視線も定まらない。捨助の救い様の無いバラバラな格好に新撰組が生まれるまでのまとまりの無さが象徴されているね。モデルが居られたのは驚きです。子孫の方がドラマの中でのあの描かれ方見られたら、少しショックかも。でも僕は好きですよ捨助の感じ。
三谷幸喜さんのHPの掲示http://fake.rocket3.net/mitani/読むと、先週の義母との邂逅の場面のカメラワークに違和感感じた方のコメントと同感される方のが載っていた。僕はメタ認知的な視線を感じさせて、ステレオタイプだけれど良い印象を感じたことを先週記述しておいたけれど。http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20040321でも三谷幸喜さんが描こうとしている近藤勇はそのような視線を持ちえていない人物としての魅力かもしれないし、組織や社会の中での近藤勇メタ認知的な視線を持ちえていないのは、肩書きに全くこだわらない彼の気持ちに良く現されたから、そうかもしれない。そしてメタ認知的な視線の無さが彼のこれからの生き方を強く左右していくのかもしれない。今日のような画面の演出では視聴率はあまり良くないだろうと思う。分かりにくいし、ステレオタイプな画面の演出も無かったし。でも僕は印象に残る回でしたね。