ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展

滋賀県立近代美術館で開催されている、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展を観てきました。少し前に仕事で昭和初期のヴォーリズさんの建築のコンバージョンのお手伝いをして、ヴォーリズさんの建築への興味を持っていたので、とても嬉しい展覧会でした。
滋賀県立美術館には1987年のモンドリアン展以来、久し振りに行ってみましたが、家族と一緒に、レストランでランチ食べたりと、一日のんびりと鑑賞し、展示されているヴォーリズさんの建築のおおらかな雰囲気もあって、気持ちの良い体験となりました。再入場も何度でも可能となっていて、会場内で上映されていた、移築のプロセスのドキュメントも、途切れ途切れながら、全体を見ることもできました。

ヴォーリズさんの建築で、特に印象深いのは、僕の場合、豊郷小学校の解体撤去問題をめぐるトラブルのニュースで、解体しようとする現場員を地元の年配の女性が身を挺して止めようとして振り切られて転倒された場面を見た時の衝撃的な体験ですね。自分が愛着を持っている建築の存続の為にここまでするのか、と信じられない気持ちで見つめていました。
これほど多くの幅広い人達から愛されている建築家も居ないだろうなと思います。会場でもそれぞれの建築の設計図の原図がとても保存状態の良い感じで残されていて、建築物だけでなく、その設計図書や、様々なエピソード含めて、次世代に残そうとされる方々の努力に、とても温かい物を感じました。お薦めの展覧会です。
展覧会のカタログのサブタイトルは少し違っていて、「恵みの居場所をつくる」となっていて、僕はその方が良い印象を感じました。

信・望・愛ー理想の居場所をつくる ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
平成20年(2008) 2月9日(土)〜3月30日(日) 滋賀県立近代美術館
http://www.shiga-kinbi.jp/exhibition/exhibition_database/pressrelease/exhibition_07-5.html