インゴ・マウラー展を観る

今日は文化の日で、サントリーミュージアムは入館無料だったので、無料&割引がモットーの僕は、覗いてみた。家族それぞれの用事を済ませ、夜に現地集合。周りの施設もクリスマスモードで、ライトアップしているので、照明デザイナーのインゴ・マウラー展には、ぴったりの雰囲気でした。(画像は少しブレている)
 
インゴ・マウラーさんの作品は、アートと工業製品の良いところをミックスしたような、楽しい雰囲気のものでした。工房のインテリアを再現したコーナーは、おもちゃだらけで、僕も椅子に座って、モニターとか観ましたが、いろいろな雑多な物が、いっしょくたになっていて、こういう雰囲気はリラックスできて好きですね。展覧会で、アトリエを再現した展示というのは、ありそうでなかなか無いですし、いろいろと参考になる。彼が一人で手掛けていた初期の作品から共通しているのは、スケールエラー的な感覚でしょうか。裸電球の形のまま大きくしたオブジェのようなランプは、自分が小さくなって、世界を見つめているような感覚になり、それ以外のものを見つめる目が、とてもやさしいものに変換される、魔法のように感じます。そこからスタートして、最近の作品のインスタレーション的な表現を見ると、ほとんどピュアアートの感覚ですね。
最後のコーナーにあった薄い水槽に、金魚と楕円の鏡が浮かべられていて、人工的に作られた流れによって、それら浮遊するものが、動くさまを、その影を壁に映して、平板な影として演出している。空間での次数の高い物が下にあり、低い物がつながりながら、上にある形は面白い。また、それら影も微妙に床のリアルのものより、ゆがみによって大きく投影していて、他の作品を観た印象として、作者の感覚の統一感は失っていないところ、一貫しているところは、強い刺激となりました。
彼の光のイメージは、どこからともなく全体的に来る物でも、強い指向性を持った、メッセージ性の高い物でも、どちらでもなく、どこかポーラス的な、半分溶けているような形から、感じられる、温かみのようなものでしょうか。
アーチャンは、羽根の生えた裸電球が気に入った様子。

インゴ・マウラー展
http://www.suntory.co.jp/culture/smt/gallery/index.html

インゴ・マウラーのHP
http://www.ingo-maurer.com/splash.html