「三谷幸喜のありふれた生活」を読む

一部引用

登場人物に緊張感がない、という批判(新撰組に対しての)に対して石坂さんは、「それは違う。僕はね、あの時代は結構のんびりしてたと思うんだよ」と声高に主張された。「例えば戦時中の日本は、映画やドラマだと深刻に描かれることが多いけど、もちろんそれも一面ではあるよ。でも実際は皆、暢気なものだったんだよ。だってね、僕の親なんかは、空襲の時も平気で風呂に入ってたんだから。死ぬ時は死ぬって、湯船に浸かりながら、近所に爆弾が落ちるのを風呂場の窓から見てたんだ!」
三谷幸喜のありふれた生活」朝日新聞2004年4月16日夕刊より

現代のイラク人質事件を見ていて、彼らが僕には何故か政治的に利用されて、「天正遣欧少年使節」の悲劇のようになるじゃないかと、感じてる。良い悪いを超えた部分で、彼らの暢気さを、皆、忘れてるんだ。こんな気色の悪い日本だから、イラクに夢を求めたんだろう?
少し前に見た、ロベルト・ベニーニの「ジョニーの事情」で、マフィアに監禁されて殺されかけたベニーニが、あのキャラクターで、いつのまにかマフィアを仲間にして、大騒ぎになっていく馬鹿馬鹿しいシーンを思い出す。