天下茶屋東湿地観察会

我家の近所に大阪市内唯一の自然の湿地が残されています。以前、自然史博物館の特別展で紹介されていて存在は知っていたのですが場所までは知りませんでした。
少し前に新聞でこの湿地のことが取り上げられたことで、場所を知り、それが我家から歩いて5分程のところだったので、こんな身近なところだったことに驚き、それで興味を持ちました。
その時の記録。

天下茶屋湿地
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20160310/biotope

この貴重な湿地を保存しようと活動されている「なにわの片葉葦保存会」さんが今回、観察会を企画してくださったので、参加しました。
保存会の方にガイドしていただき、阿倍野側から少し坂を下って行きました。丁寧な解説、楽しい時間感謝です。
今日は私はアーチャンの絵を表紙に掲載して頂いている「人情マガジンにしなり」の編集委員としての参加で、取材もしました。現地は既に国が民間に売却しているので、いつまでこの状態が残るのか分らないそうです。
何らかの形で都市のなかの小さな湿地の価値をお伝えできればと思います。

なにわの片葉葦保存会
http://katahanoashi.sblo.jp/

道路の左側(東側)が大谷高校で、右側の崖下奥が天下茶屋東湿地です。

保存会の方はここは「西成の宝」ですよと。崖を下って近付くと様々な湿地特有の植物が生えていました。

なにわの片葉葦は固有種ではなく、葦の変異体なのだそうで、一般の葦原でもいくつか見られるそうです。
茎の片側だけに何故か葉が寄っています。

大阪府下のレッドリスト絶滅危惧種)に指定されているコガマ始めヒメガマなど生態系の違う3種類のガマが、こんなに小さな湿地に共存しているのはとても珍しいそうです。

ここは30年程前までは宅地で家や隣にはお風呂屋さんなどが建っていたそうですが、それ以前の昔はやはり湿地だったそうで、その頃に生えていたガマ類の種が土の中で残っていて、建物が無くなり湿地に戻った時に芽吹いたとする説と、風に乗ってここまで飛ばされたとする説など、諸説あるそうです。
湿地の土留めのコンクリート下にホントに小さな幅は5センチあるか無いかくらいの溝が切ってあり、そこに湧き水(もしくは雨水の浸透水の説もあるそうです)がずっと流れているのですが、小さな沼エビや糸トンボと思われる小さなヤゴや種類不明の稚魚が居て、植物から昆虫、動物までの完結した生態がここに成立している様が実感できました。

保存会の方も、数ヶ月に1回しか観察には来れないので、この小さな溝に生物が居る事を気付けたのはとても貴重なことだし、近所であれば、繰り返し観察して、まだ未発見な生物が居れば報告して欲しいとの事でした。
あとで現地集合で来たアーチャンは新種発見して、自分の名前付けると妙に張り切っていました。
発見できると良いね、アーチャン。