蛋白研セミナー 

prader-willi症候群の原因遺伝子の一つとされる necdin発見者の吉川先生のセミナー(転載許諾済)に、行ってきました。
会場は満員で登壇された4名の先生方へ質疑が相次ぎ、30分以上予定オーバーで、熱気に包まれていました。
吉川先生からのprader-willi症候群に関しての詳しい解説があり、そしてips細胞で難病研究の慶應大学の岡野先生のお話に希望が湧いてきました。行って良かったです。
3人目に登壇された岡野先生のips細胞による難病研究にはprader-willi症候群も含まれていますが、今日は他の小児難病を中心に発表されたので、セミナーの後、直接、現在のPWSに関しての研究の進捗をお聞きしてみました。
もちろん詳細はお聞きできませんでしたが、具体的に担当者も付いて、かなり具体的に進展しているとの事。PWSのIPS細胞作成も成功して、そこに生じている異常のある系も判明してきたそうです。期待したいですね。
我家もこの研究が公表された時にすぐに、ドナーとして参加可能の旨をメール&TELしました。(子供の細胞提供には倫理上の問題があるらしく、結局細胞提供は行なわれませんでした)
研究の進展に希望を持ちたいですね。まず諸症状の原因の究明、そして治療法開発に結びつく事を祈ります。
最後に登壇された吉川先生ご研究のnecdinは、さまざまなたんぱく質と結合して働く、いわばハブたんぱくであるらしく、基本的にnecdinは細胞の生存に不可欠なものとの事。PWSとnecdinの関係はまだ完全には証明されていませんし、欠失領域には多くの遺伝子があり、アメリカを中心とする研究者さん達の考えでは、snoRNAが原因遺伝子説であるらしい。しかしsnord116ノックアウトマウスでは成長にともない過食になるが、しかし太らないなど矛盾した点もあるとの事。その後、ハブたんぱくとしての様々な結合の形等、かなり専門的なお話がありました。セミナーの後、吉川先生に挨拶、多くの専門家の先生方にprader-willi症候群の事を知っていただき、興味を持たれて、研究推進に結び付く事を願いました。感謝です。

蛋白研セミナー 
神経疾患の克服に向けて
【日時】2012年3月1日(木)〜2日(金)
【場所】大阪大学吹田キャンパス・大阪大学蛋白質研究所一階講堂
http://www.protein.osaka-u.ac.jp/regulation/seminar.html