森村泰昌新作展「絵写真+The KIMONO」

天神ノ森天満宮へ初詣に行き、その後難波に出て高島屋のギャラリーへ。

森村泰昌新作展「絵写真+The KIMONO」
12月28日(水) → 平成24年1月10日(火)
http://www.takashimaya.co.jp/osaka/gallery/index.html
高島屋HPより引用

「1929(昭和4)年に製作された、北野恒富筆『婦人図』を原画とする郄島屋のポスター」を森村さん自身がいつものようになりきりで、6種類の着物のバリエーションで表現されていました。また当時モデルさんに着せた着物の再現展示や森村さん自身の版画作品を転用した着物(これは、なりきり作品にも着用し、着物自体も展示されているという、本物と偽物、絵画と写真と現実との境界線がいずれも、曖昧になっていました)などもあり、複雑なエピソードが織り込まれていました。
1929年の頃の高島屋のポスターに左乳房を見せるリアルな絵画を採用し、またこのポスターがたいへんな人気を呼んだという時代の自由な雰囲気も良いですね。
この1929年という年を、おそらく森村さんは現代と重ねているのだろうし、それが「関東大震災(1923年)→御堂筋開通&都市改造(1927年)→世界恐慌(1929年)→ 資源の無い国のファシズム化→世界大戦の歴史」と、現代の震災&原発事故から欧米の金融不安、政治の不安定な状況から連想されるさらなる絶望的な状況への連鎖を暗示しているのかもしれません。
そうなってはいけないという政治的メッセージ性は全く無く、ただ美しいような、気持ちの悪いような表現がありました。