ETV特集「目覚めよ身体 感覚の宇宙〜メディアアーティスト岩井俊雄の特別授業」

家族で一緒に最初から最後まで興味深く拝見しました。岩井さんの娘さんの通う小学校で、授業をされることになったきっかけについて、御自身のblogでも詳しく解説されていました。多くの有用なアイデアがあり、今後のアーチャンの療育やアートセラピー的な関わりや遊びの中で自分たちなりに工夫して実践していけそうに思います。素晴らしい番組、岩井さんに感謝です。
特に、手作り感溢れたアニメーションの応用は示唆に富んでいました。少し前にアーチャンが通っている、京都大学の「こころの未来研究センター」の担当のITさんから教えていただいた、発達障害児と眼球のサッケードの関連研究のお話ともつながりますし、最近の興味や、自分なりに、アーチャンが生まれる以前から継続して、もの作りのなかで意識していた事項などが有機的につながってきました。先日観てきた、京都国際マンガミュージアムでの「総合育成支援教育現場から創造の世界を学ぶ」展でもビデオでアニメーションの原型のようなものを療育のなかで遊びながらしていて、発達障害児の療育でどんな風に活用されていくのか、とても興味深いですね。
眼球運動とのつながりで、EMDR的な療法ともつながるでしょうね。僕が好きなアーティスト達を思い浮かべると、17世紀の頃の個人的にはアニメーションの原型を作ったのではないかと思い、敬愛しているジャック・カロであったり、近現代の映像開発直前の時代の作家たち、特にゴッホが最終的に到達していた世界観であったり、それ以降でも、モンドリアンのように、視覚にピクピク感あふれる刺激を与えるような平面を作り続けた作家など、共通したところがありますね。モンドリアンの彼のアトリエに並べられた作品群を見た、カルダーは、強い刺激を受けて動く彫刻を思いついたというエピソードも示唆的と言えますね。
いろいろなことを思っているうち、発達障害児のサッケードが増大していて、それによって様々な障害が生じているという研究もあるようですが、むしろ、様々な不安から身を守る為に、サッケードを増大させて、EMDR的効果を自ら促しているのではないのだろうかと空想してみた。岩井さんが、ずっとコレクションされてきた、膨大な量のパラパラマンガとの出会いのところ、とても良かった。記憶に残るシーンです。

いわいさんちweb
http://iwaisanchi.exblog.jp/

ETV特集「目覚めよ身体 感覚の宇宙〜メディアアーティスト岩井俊雄の特別授業」
デジタル技術を駆使した斬新な芸術表現で知られるメディアアーティスト・岩井俊雄。彼が今、子どもたちと一緒に楽しめる手作りのおもちゃに夢中になっている。一体なぜ?
じつは近年、彼はある危惧(ぐ)を抱き始めたという。パソコンなどのハイテクを使うことと、手や身体を動かして物を作ること。現代社会では両者が完全に分離し、子どもたちにとっての「現実感」が見失われつつあるのではないか? 今回彼は、自身の娘が通う小学校で「物作りからデジタルへの架け橋」をテーマに特別授業を開催。子どもたちは、岩井直伝の実験や工作を通して、映像メディアやデジタル技術の基本的な仕組みに触れ、遊び心あふれるオリジナル・アートを作り上げてゆく。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/lineup/index.html
NHKのホームページより引用