やちょうえん たのしかった

小学校の宿題で日記を書きました。何を書いたら良いかという判断はまだ難しくできない様子なので、最近のいくつかのイベントなど伝えると、昨日行ってきた南港野鳥園で作ったバードカービングのワークショップが楽しかったらしく、短い文章とバードカービングの絵を描いています。



この絵はとても興味深いものと感じます。最初に一番上の細長い魚のようなものを描いて、何とか自分の目で見たままの描像を描こうとしているのか苦労していて、「むり、むり、」と言いながら描きました。次々と描いてチャレンジして、一番下のどちらかと言えば、輪郭の分離された、デビッド・マーの理論の三次元イメージの円錐の組合せのような対象物中心座標系の説明図のような表現となりました。そして最後に、頭の中に出来上がったオブジェクトを回転させるようにして、そのすぐ上のちょうど鳥の顔を正面から見たようなものを描いて終わりました。このバードカービングは簡略版で、シルエットを切り抜いただけのものですから、立体的なバードカービングのように、正面から見たときのかたちは厚みがあるのみで、通常の描像はありません。prader-willi症候群児の描く絵で今まで見て来たものは、すべて焦点の無い、重なり図のないものでしたし、この子達は観察者中心座標に何らかの変異があり、奥行き感のある焦点のある絵を描く事はとても負荷が掛かるように感じています。ただ、対象物中心座標系は、それに較べて、イメージ形成能力が残されているのか、対象物をこの描画のように、回転させたり、補ったりということはよく出来ている感じですね。一番最初に描いたような、もどかしい感じのぺっしゃんこの姿を描きながら、「むり、むり、」と言っている姿は切なくも有り、でもまだこの子には可塑性があり、繰り返しこのような形で、立体から平面へ、平面から立体へという描画を、いろいろな機会に楽しみながらしていけば、描画だけでなく、こころの部分にも良い作用が生じるのではないだろうかと空想する。

山口真美先生の御研究の著作のことも思い出した。再読してみようと思う。

正面を向いた鳥の絵が描けますか? (講談社+α新書)

正面を向いた鳥の絵が描けますか? (講談社+α新書)