木村伊兵衛の13万コマ 〜よみがえる昭和の記憶〜

これは昨夜、NHK教育のETV特集で放送されていたもの。

木村伊兵衛の13万コマ 〜よみがえる昭和の記憶〜
NHK教育、ETV特集

写真家、木村伊兵衛氏の残された昭和の時代の写真作品と、そのネガのコンタクト(ベタ焼き)を
評論家・川本三郎、写真家・荒木経惟田沼武能、歴史家・テッサ・モーリス・スズキ各氏がコメントしていく構成。
木村伊兵衛さんのベタ焼きは初公開らしく、写真家の視線や意識の動きのようなものが、順送りされることで、感じられ、非常に面白かったですね。でも、これって、作家がなくなった後の、分析的な作業ではあるけれど、少し作家の内側へ、勝手に踏込み過ぎている感じもしないでは、ないけれど。そのような分析的な視線自体を、木村伊兵衛さんは嫌ったんだろうなと思う。
荒木経惟さんの最後のコメント、『懐かしいものが無いと駄目なんだ、やわらかいところが・・・』と言われて、絶句されるところ、僕も、胸が熱くなる。
僕が20歳くらいの頃に、最初に買った古本は、木村伊兵衛さんの『インプレッション・オブ・ヨーロッパ』という戦後間もなく、行かれたヨーロッパ各地のスナップ写真集で、僕の宝物ですね。これは、カラーフィルムをたくさん使った、明るい印象のものだから、その後で、木村伊兵衛さんの、白黒の日本の都市の光景の写真見ても、あまり、ピンと来なかったけれど、昨日の番組を見て、少し何となく分ってきた感じもする。
良い番組でした。