中谷礼仁講演会「セヴェラルネス+さよなら大阪」を聴く
INAX大阪にて、archiforum in osaka 2004-2005 マゾヒスティック・ランドスケープ〜獲得される場所をめざして〜vol.15 中谷礼仁講演会「セヴェラルネス+さよなら大阪」を聴く。
先日、中谷礼仁さんの著作「セヴェラルネス 事物連鎖と人間」を拝読して、面白く、中谷さんのHPに講演会の予告が出ていたので、PWSの公演を見た後、家族と別れ、会場へ。
- 作者: 中谷礼仁
- 出版社/メーカー: 鹿島出版会
- 発売日: 2005/12/23
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 84回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
都市の先行形態が決して消えない理由、そしてそれが都市連鎖の要として働くところ、具体的に詳細にお話され、興味深い内容でした。
大阪の街は秀吉の頃に作られたグリッドプランの大きさが、現在の商業施設のサイズとしても、とても良いサイズらしく、御堂筋周辺にそのまま同じ形態で残されている。その周囲や、埋め立てなどによって、人工的に作られ、先行形態があまりはっきりとした形として現われていない場所では、都市をリードするコンテキストが無いので、大雑把な街路、空地や建築物の形態を生み出しやすいとの指摘。ライトペンで指摘された、その問題建築に、知人の手掛けたものも含まれていて、僕は思わずふき出した。
都市の先行形態=無意識的なものが何故残るのか(都市計画は意識の領域のもの)について、大阪で研究された成果は、世界の都市の構造分析に適応可能な物であり、その意味が+さよなら大阪(中谷さんが好きなハッピーエンドの「さよなら日本」つながりで)ということらしい。
楽しい講演会でした。
講演会のあと、中谷さんに、ピラネージ論の銅版画のくだりのところ、質問したところ、やはり中谷さんは銅版画制作されているとのこと。(実際に銅版画作っている人でないと、あの文章は書けないと思ってた)
そして、何と、僕のblogの、そのテキスト読んだよ、と仰る。人づてに銅版画のとこ、評価してる人が居るよと聞いて、読んで頂いたとの事。リンクもしましょうと言われたけれど、娘の障害の事書いているblogなので、畑違いすぎて、御迷惑にならなければ、どうぞということにしてもらいました。これからも、ユニークな著作期待しています。今日は楽しいお話、ありがとうございました。
中谷さんは直接、出版も手掛けておられて、会場で、そのアセテート出版の本の販売もされていたので、ピラネージ建築論を購入。これも興味深い内容のようなので、ゆっくり読んでみよう。
- 作者: ジャンバティスタ・ピラネージ,横手義洋
- 出版社/メーカー: アセテート
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (9件) を見る