はなす手☆つなぐ手 大阪市民劇団かけはし座の公演を観る

福島区民センターにて、第13回ヒューマニティ大阪市長賞を受賞された、『はなす手☆つなぐ手』の公演を家族で観てきました。原作者さんの妹さんがprader-willi症候群で、このお話は実話を基に書かれたものでした。受付で、パンフレットやいろいろ頂いたものの中に、他の入選作も含めた作品集の文庫版も入っていて、演劇を見た後で、原作を読めるようになっていました。
このような活動によって広くPWSのこと、社会に認知していただける契機になりますね、感謝です。

演劇を見終わって感想
おそらくまだPWSのことがよく分っていない時代に生まれたのであろう、妹さんと家族の、PWSの行動の問題、過食症など諸症状に苦しむ日常を描いたお話は、私達にとっては、演劇として観ているのではあるけれど、一つ一つの場面がリアルに伝わってきて、演劇として、楽しめる気分にはなれなかったし、かといって、まったくのドキュメントでもないのだけれど、観終わって、少し開放感のない気分になりました。
様々な行動の問題が厳しくなり、老母の受任限度を超えて、家出騒動をきっかけに、兄弟姉妹達が初めて、事の重大さを知る。そしてPWSのことをネット等で調べ、知り合った親の会の仲間通じて、同じような苦しみを共有する家族達の存在も知り、自分たちなりに、母子分離させる事が最善の策と考えて、様々なサポートを始めるが、結果的にうまくいかず、かえって関係は悪化していき、精神科の病院へ入院する事になる。そして、環境の変化故か、幼稚返りした妹の姿に、命の再生のようなイメージを付託して、患者家族だけで閉じて苦しまず、さまざまな支援を受ける為に、手を離し、そして支援者達や専門家達が手を結ぶという、タイトルのところが象徴的に演じられ、一時帰宅できるまでに回復した娘さんと、ラストは明るいイメージのミュージカル(何故か平井堅のポップスターを全員で踊り歌う)で幕。
実家、実家の近所、姉家族の家、姉家族の家の近所、病院、精神科の病院と、かなり頻繁に場面転換があり、その都度暗転する為、少し集中を欠きやすい構成になっていました。暗転の際でも、本来避難用に若干の照度が必要ですが、かなり暗くなっていたので、アーチャンは、僕達の手をその都度握って、不安そうでした。

最後の、幼稚帰りのところ、原作にも記述あるので、事実なのでしょうね。以前、アメリカのPWS協会のテキスト読んでいて、大人のPWS患者の記述のところに、よく似た記述の箇所を読んだことを思い出しました。

A minority of adults with PWS develop symptoms of psychosis. Psychiatric hospitalization may be necessary.Interestingly, the drive to eat disappears in some cases when symptoms of psychosis appear.
(精神病の兆候が現われる時、過食症が消える場合がある、という意味でしょうか?)
http://www.pwsausa.org/postion/HCGuide/HCG.htm