『鉄道芸術祭vol.5 ホンマタカシプロデュース もうひとつの電車 〜alternative train〜』

イマナリエ点灯式のあと、私だけ動物園前から北浜に出て、アトリエB1での塚本由晴(建築家、東京工業大学大学院教授、アトリエ・ワン)の講演会に参加しました。

http://artarea-b1.jp/archive/2015/1204848.php

開始時間を1時間間違えて行ってしまったのですが、おかげでやってた展覧会をじっくり見ることができました。

『鉄道芸術祭vol.5 ホンマタカシプロデュース もうひとつの電車 〜alternative train〜』
http://artarea-b1.jp/archive/2015/1226796.php

今回のテーマにされているカメラオブスキュラというカメラのメカニズムの原型を、塚本氏は、ホンマタカシさんの撮影助手としてマンハッタンのエンパイアステートビルをホテルの1室を暗箱にして撮影した経験から、生な光を感じて、技術の進化とともに、企業に技術を奪われてブラックボックス化した現代において、人間の側にそれを取り戻す作業として捉えておられるようです。
塚本氏の考えておられる、「振舞」に基づいての建築デザインもしくは公共空間のあり方のお考えはとても刺激的で、参考になりました。
自然エネルギーの振舞と人間の振舞と、建築の振舞と、振舞を3つの要素と捉え、
人間の外にあるその振舞にある原理のリズムと人間のリズムの重ね合せが公共空間を作り出していく契機になると。
例として、日本のお花見のように、1年に1度の自然の桜の開花のリズムに、人間の日々の食のリズムを重ねていく事で、お花見のスタイルが出来ていく。
かつその重ね合せ方が日本人独特のものでもあり、かつ21世紀に求められる、思考のあり方でもないかと。
ベルギーのアートイベントに招かれて、何か作ってくださいと依頼があり、40年ぶりに運河で水泳ができるくらい水質が改善されたことを捉え、運河の中にポンツーンとあずま屋を設えた計画も、同様の自然資源と人間の振舞との重ね合わせから生まれてきた場作り。
また、ドイツでのワークショップではDIYによって、世界遺産登録運動前の公園整備を学生たちとともに、公共空間作りを計画されていて、様々な作るスキルの伝達、共有がなされるなかで、それで都市のような巨大なものまでは作れないが、しかし、ブラックボックス化した技術について、再考する契機になるのではないかとの思いから実践されているそうです。
とても開放的で、様々な資源(情報やスキルを含む)を閉じないで共有していこうとするお考えはとても共鳴しますね。
刺激的な講演会でした。