Macaroni/日本 伊勢克也展

インテックス大阪のリビング&デザイン展を見てから本町に出て、知人の小谷廣代さんのシェ・ドゥーヴルへ家族で伺い、「Macaroni/日本 伊勢克也展」を観ました。
この展覧会は現在大阪の各地で開催されている「御堂筋デザインストリート2011」の関連イベントとして「A_WAZA_STYLE,0 」のひとつとして参加されています。(「あわざスタイル ゼロ」は9月16日で終了ですが、伊勢克也展は27日まで)

A_WAZA_STYLE,0
http://gbs.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/cca/dragon-media/document/A_WAZA_STYLE0.pdf

東日本大震災への鎮魂を感じさせるテーマの作品群。ボールペンのドローイングで黒く塗りつぶされた日本地図をいくつかのパーツに分離して、それを額縁の中に飾り、壁面で再構成されている。震源が変形した赤い日の丸のように刻印されている。特に被害の大きかった地域の地図だけスケールアップして、別の壁面に同様のボールペンによる黒い塗りつぶしで表現されている。
見たままを記録すると、震災復興へのシンプルなメッセージにしか読み取れないが、でも、特に被害の大きかった地域の、リアス式海岸の複雑な入り組んだ地形を観ていると、これはおそらく作者も地図を見ているうちに、そう感じたのであろう、動物であったり、タツノオトシゴみたいであったり、それはちょうど、天気の良い時に空を見上げた時に、白い雲の形の中に、具体的な形や生物のシンボル的なイメージを感じ取るように、地図の中に、そのような痕跡を無意識のうちに感じてしまうようだ。
我家もいつも天気の良い日に、アーチャンと空を見上げて、雲の形から、いろいろなものを連想して名付けていく遊びをするのであるけれど、今日の伊勢さんの作品の中にも、そのような遊び感覚が溢れているように感じる。
それは長い眼で見れば、被災した地域の復興に際して、計画に要請される、ランドスケープの豊かさを感じ取る感性であると思うし、それがある限り、地域の再生は可能だと思うし、そう信じたい。