桑山忠明「WHITE 大阪プロジェクト」

午後、中之島国立国際美術館へ(第一土曜日はB2階の展示無料)
桑山忠明「WHITE 大阪プロジェクト」展を観ました。

桑山忠明「WHITE 大阪プロジェクト」
http://www.nmao.go.jp/exhibition/exhibition_b2_2.html
国立国際美術館

桑山忠明さんの作品は、美術雑誌等で拝見していましたが、まとまった展覧会として観るのは初めてでした。
会場の入口が左右に分かれていて、どちらが順路であるか表示も無く、それで左手から廻りましたが、おそらく作者のイメージも左手からの、反時計廻りの順路ではないかなと感じました。
最初のブースは縦長の奥行きの深い構成の部屋。そこに上下二段に区分された、四角い、ただ白い絵画がフラットバーの細いシャープな額縁にスリット状の隙間を設けて置かれているという単純なものが、延々と並べられている。そしてそれは壁の下辺に置かれていて、見下ろしの視線を生んでいる。
奥の短い何も無いスペースを廻り、次のブースへ入ると、同じサイズで、白い巾の狭いテープのようなもので水平に覆われた画面の絵画が同様に無数に並べられている。そして壁面の少し上がった位置に配置されていて、最初のブースと雰囲気がそれだけで変化していることに気付く。
そこを過ぎて、最後の溜まりのようなブースでは、テープで覆われた作品の、いくつかの展開。
小さくなり、点々と配置されていく。まるで、今観てきたブースの作品が遠のいて、奥行き方向にベクトルが生じているような雰囲気がある。
そして最後の壁面に、7個の絵画を縦につなげたものが1点。7個のうち、4個が水平のテープ状のもので、間に市松状に挿まれた残りの3個の絵画はテープの流れが縦になっている。
絵画によってランドスケープが構成されていて、弱い表現のものを繋げて行く時、その繋ぎ方に強度が生じている。