山口和也「描き合いっこ」&「プロボクサー小松則幸」

YODギャラリーを出て、そこから梅田まで少し歩いて梅田の地下街へ降りて買物の後、E-MAとHEPホールで同時に開催されている山口和也展を見ました。
E-MAでは顔を描き合うワークショップの展示、HEPホールでは、継続して取材撮影されていたというプロボクサー小松則幸さんのドキュメント映像展示でした。
いずれも、人間にとっての顔の存在という、根源的なものへの強いメッセージを改めて感じさせるものでした。人間が生まれて最初に出会うのは廻りの人たちの優しい笑顔であり、そのイメージは誰しも、ずっと変わらないでいるものだと。
そして現実の世界は、顔と顔の無い世界とが混じり合い、「顔/カオス」的な様相となっていて、その境界は時に曖昧なものとなっている。
何故この方の展示を見ようと思ったのかは、HEPホールの会場に、山口さんが居られて、写真集のPRされた時に自然にお話くださったので、こちらからも少し申し上げたのですが、小松選手が最後に対戦するはずだった、亀田大毅選手の御家族への思いがあった為と思います。一家が大阪に居られた頃、一番下の子供さんのHちゃんが私の娘のアーチャンと保育所が一緒で、ずっと絵手紙交換など、ハンディキャップのある娘を他の子供さんもそうでしたが、一緒に遊んでくれて、おかげで名前を文字を必死で書こうとして漢字が好きになってくれたし、感謝の気持ちがありました。その延長上で、ボクサーという過酷な職業と、ショウとしてプロとしての、やむを得ないイメージ作りによる現実の人間性とのギャップなど、感じていた事もあり、ボクサーへの崇高なイメージを改めて、アートを介する事で確認しておきたかったという事がありました。

山口和也「描き合いっこ」
http://www.e-ma-bldg.com/dba/index.html
E-MA

山口和也「プロボクサー小松則幸
http://www.hephall.com/10949/
HEPホール