こころの未来研究センターにて療育

午後3時から京都大学の、こころの未来研究センターにて療育を受ける。今年もよろしく御願い致します。今日も担当のITさんとIDさんのおニ人で見ていただきました。

今日の課題
1、パソコン課題
2、ひらがな どれだけ書けるかな
3、文章いろ塗り&読み
4、どうするゆうきくん

療育の部屋の奥にプレイルームが備えられていて、僕達夫婦はそこで待機。

1のパソコン課題では、アーチャンが苦手なカタカナの読みに取り組みました。一文字だけならなんとか読めていて、2割程度読めない文字がある様子。ナをケとかイのように似た形の文字と間違えて読んでいる。今後カタカナ読みを重点的にしていただく予定。
2の「ひらがな どれだけ書けるかな」は、正月休み明けということで、前回までにできていた内容の確認程度。「へ」の文字の左右の長さが反転していたり、「い」も同様になって「り」と区別がつかない書き方をしている。この辺りについては、次回以降にタングラムという視覚テスト課題を実施して視覚の回転系に問題が無いか検証していただく予定。
3の「文章いろ塗り&読み」課題では、やはりカタカナ文字が出てくると止まってしまう。「ママ」のように「マ」一文字では読めていても綴りになると読めなくなったりしている様子。でもあかちゃんの小さな「ゃ」とか、なんだっての「っ」が少しづつ理解して読めるようになってきているので、次回以降フォントサイズを通常よりも差をつけて意識させて読む形を検証予定。
4の「どうするゆうきくん」は、電話で「お母さん居ますか?」と聞かれた時にそのまま聞かれた内容に対してのみ回答する「はい居ます」を繰り返す場合と、社会的な文脈から推測して「居ますか?」=「居れば電話替わってください」と答える場合と比較して質問。アーチャン最近自宅での電話に直接出たりするようになってきた為か、概ね意味は理解している様子ですが、「はい居ます」のみを繰り返し回答された場合に相手はどう感じるかについて、「うれしい」の方に丸していたので、設問が長すぎると設問自体の理解がまだ難しい様子。
将来的に、視線の動きや対象物に対する滞留時間を測定することのできるアイトラッカーを使用して、視覚の問題点など検証していただけるとの事。アーチャンや同じprader-willi症候群児は重なった対象物をそのまま描けないで、別々に並べて描く傾向があるようなので、その辺りの解明もできれば良いなと思います。

少し前から関心をもっているEMDR的な眼球運動による効果については、担当のITさんのお話では、専門分野ではないのでとの前置きのあと、現在判明している科学的知見では眼球運動と心の相関関係の解明は難しいのではないかとの事でした。しかし行動療法において脱感作はよく使われる方法であり、様々な方法のストックは多いほうが良いと思われるとのアドバイスでした。
偶然、翌日のニュースで、テトリスを使用するとPTSDのフラッシュバックが緩和されるという海外の研究成果の情報を読んで、漠然と、ゲーム的要素の効果というよりも、EMDR的な眼球運動の要素の効果ではないのだろうかと推測してみた。prader-willi症候群のような行動面精神面で様々な問題を将来抱える事になる人たちの心のケアに、ゲーム機のような身近にある小さな機器で楽しみながら心が落ち着いていくとすれば、良いなと空想。

テトリス』がPTSDを和らげる−英国の研究結果
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090110-00000000-isd-game
yahooニュースより引用

BBCはオックスフォード大学の実験結果として報じるところによると、実験は40名のボランティアに対し精神的外傷(トラウマ)となるようなイメージを見せた後、『テトリス』をプレイする20名と何もしない20名に分けるという形で行われたとのこと。

トラウマの記憶が甦るフラッシュバックについて調べたところ、『テトリス』をプレイした20名はフラッシュバックが少なかったとのことです。

Emily Holmes博士はフラッシュバックの影響を弱める方法を見つけるためにこの実験を行いました。『テトリス』が脳のリソースを使用することでフラッシュバックが弱められるというのがHolmes博士の仮説。この結果は一般的なコンピューターゲームの効用を示すものではなく、PTSDの人に『テトリス』をプレイするよう勧めるものではないとしながらも、「脳がどのようにはたらきフラッシュバックの記憶を生み出すか理解することは非常に重要である」とコメントしています。

Tetris 'helps to reduce trauma'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7813637.stm