顔の倒立効果

最近、アーチャンを見ていて気付いたことなど記録しておこう。
先日、陶芸教室で、アーチャンが作ったマツケンサンバのオブジェで、素焼きの時と色つけして本焼きの時とで、アーチャンに焼く前に、釉薬が釜につかないように、天地を確認したけれど、素焼きの時と本焼きの時と、また焼きあがってからも、アーチャンの認識が天地が逆になっていた事があった。

左:素焼きの時 右:本焼きした後

少し気になって調べたりしていたが、過去にこのblogにも少し参照させていただいた、研究でも、prader-willi症候群の視覚研究で、ロールシャッハの図形で、天地を逆向きにしないと、健常者では認知しない図形を、認知した特異なケースのことが記されていたし、prader-willi症候群以外の障害の症例研究でも、顔の倒立効果(健常者の場合、顔を倒立させると、著しく認知力が抑圧されて、誰だか分らなくなるらしい)があまりみられないケースの報告などを読んだりもした。

prader-willi症候群の場合も、顔の認知が特異で、顔の倒立像でも、あまり抑圧が働かないのかもしれないですね。

この事と、顔を認識する顔細胞なども関連してくるのではないかと想像する。アーチャンの描く顔は、今のところ、ほとんどの場合、誰を描いても、僕の見た目ではほとんど同じように見える。アーチャンが特徴つけて描くのは、顔の中心の目とか鼻とかではなく、だいたい、いつも髪型であったり、歯並びであったりする。
今年の春、アーチャンと仲間達展をした時に他の年上のprader-willi症候群児のお母さんから、顔を描くときに、歯を特に強調して描く癖があるとお聞きした事も思い出す。アーチャンもその特徴が似ているように感じますね。
先日のNHKのTV番組「ためしてガッテン」の似顔絵の特集で、顔細胞の説明があり、改めて読んでみると、顔細胞のある領域は、いわゆる心の理論に関連する領域でもあるようだから、関連するように、感じますね。

顔の認識が弱いと、当然相手の表情も読み取りにくいし、相手の感情の理解も難しいこととなるんでしょうね。

では、顔を描くときに、何らかの形で、子供に係わって、できるだけ顔の表情に関心が及ぶように誘導すると、その流れで、うまく表情のなかから、感情をくみとるような心の働きを、うまく働くように誘導することは可能なのだろうか?

以前、障害児の絵の特集番組をTVで見たときに、指導されている先生が、鼻の形を、障害児の描いた形から、修正させて、鼻の穴とか、もっとリアルに表現させているシーンを見て、若干、その時は、抵抗があり、そのように感じた事も書き込んだりしたけれど、あれはあれで、感情を読み取る為の、誘導であると考えると、良いのかもしれないなと、考え直してみようと思う。

http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20050301#p1

いろいろと、不思議なことが多いな。