『その男・榎忠』展を観る

KPOキリンプラザ大阪にて、『その男・榎忠』展を観る。
気分転換兼ねて、皆で御昼御飯を食べにミナミに出たついでに、あまりよく知らない作家さんでしたので、軽く寄ってみたのですが、この展覧会は、言葉失うくらい良かったですね。こんな人、日本に居たんだ。
昼間に見たイメージが、夜になっても、グルグル頭の中に残ってる感じですね。
6階の、円形の檀に集められた磨き上げられた、小さな金属のピースを集めたオブジェは、一人づつ階段で、円筒の中心に登り、観るようになっている。係りの方に子供と一緒に上がっても良いですか?と聞くと、飛び跳ねたり、触ったりすると、パーツが倒れる恐れがあるので、抱っこしてください、みたいな感じでOKもらって上がる。それぞれのパーツが、ジオラマのように見えてきて、自分自身が巨大化していく。何か挑発されているような、破壊衝動を誘発しているような、強烈な光景。それでいて、個々のパーツを見ると日常の機械の部品であったり、何気ない物の集積であることに気づき、現実の感覚に元の自分に戻ってくる。僕は通過儀礼的なアートは、あまり好きではないけれど、この方のアートは、通過儀礼的な様相を持っているけれど、本質的には、造型の世界の人のようだ。
KPOキリンプラザ自体を、この方の手にゆだねて、コンバージョンしたらどうなるのか、空想した。