gallery Moguri rooMにて、堀尾貞治展「あたりまえのこと(LINE)」を観る
堀尾さんの作品を直接拝見する機会が少なかったし、堀尾さんが具体美術協会のメンバーでもあったので、印象として、非美術的な散逸しそうな感じの作品をイメージしていましたが、今日拝見した作品は、画廊の壁面を三幅対のように見立てて、中央の衝動的な太くて黒い強い縦線、右側の小さな紙マット(エッジを丁寧にテーパー取ってある)に水彩の味わい深いアブストラクト、左側の画用紙を張り詰めただけで、その一枚ごとにエッジにだけ着色されたものという、強い秩序を感じさせる構成でした。
僕の中での具体美術協会についての理解は、「非決定論的な人間存在をメタ認知する装置としての無意識的な機械的な決定論的方法」というまわりくどいものですが、このような方法論に人が一旦魅了されると、なかなか抜け出せない、麻薬のような物ではないか?という直観的な理解が僕の中にあり、その理解の延長上に、堀尾さんの作品理解があったので、今回の展覧会は、そのような理解とは遠い世界にあり、堀尾さんの作品世界の多様性について、そして、具体美術について、再考する必要を感じさせてくれる機会となりました。
残念ながら堀尾さんは不在で、その辺り直接お聞きできませんでしたが、画廊の方のお話では、最近、堀尾さんは年間100件のペースで個展やグループ展されているらしいので(驚異のペース!!)また何処かで、お聞きしたいなと思います。横浜トリエンナーレにも出品されるようですね。
http://moguriroom.com/
gallery Moguri rooMのHP
堀尾貞治展は6月20日まで
http://www.yokohama2005.jp/jp/H.php#1
横浜トリエンナーレ 堀尾貞治プロフィール