ジャック・カロ展を観る

昨日の感想http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20050109#artの続き。
資料検索して、おもしろいスケッチを見つけた。昨日のメモにも記したけれど、Gobbi達のイメージはカロにとって頭足人的な世界観に基づいているのかもしれないですね。購入したカタログの解説によると、Gobbi達のモデルは当時のフィレンツェの宮廷で道化として病弱なコジモⅡ世に使えていたとあるが、おそらくカロは、Gobbi達から強いイマジネーション受けて、最初、そのイメージを頭足人的スケッチに留めたのではないだろうか?彼らのうちに、世界をシンボルとして捉える事の可能性というのか、魅力の鍵を見出したに違いないと思う。
その事と、「Military Exercises」の槍の動きのような、視覚的にアニメーションに近接するような、楽しさを、並行して追及していったのではないかと思う。これは先日見た、「佐藤雅彦研究室のアニメーション・スタディ『考え方』が動きだす」http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20050103#artの中の「task-animationの連動するドットの動きがランダムな流れから切り出される」という御研究を手掛かりに解釈していけそうに感じる。

http://www.nga.gov/cgi-bin/pinfo?Object=123940+1+none
http://www.nga.gov/cgi-bin/pimage?123940+1+0
アメリカナショナルギャラリー
カロのスケッチは初めて見ました。Gobbiのイメージは、ほとんど頭足人ですね。描かれたGobbiのイメージを交互に繰り返して見つめると動きが感じられますね。これは新しい発見、探してみるもんですね。
このスケッチが1616年頃のもので、版画作品としてのGobbiは1622年頃とありますから、6年間くらいイメージを暖めていたんでしょうか。
でもカロは1592年生まれですから、このスケッチ描いた時は24歳ですね。多感な時に出会ったGobbi達のイメージは忘れられないイメージとして、生涯彼の心に響いていたに違いない。

ジャック・カロの作品のあるHP
http://homepage.mac.com/dmhart/WarArt/StudyGuides/Callot.html
例えばこの中の「Military Exercises」のシリーズをプリントして、壁に自由に並べてみると、きっと楽しい感じになると思います。