「ルネサンスの謝肉祭・ジャック・カロ」成瀬駒男著を読む

20代の頃に読んだジャック・カロ論懐かしく、本棚探すが、引越しの時の整理悪く、行方不明になってしまったので、仕方なく図書館で借りる。ネットでも著者の事検索してみたが、既に亡くなられていた。素晴らしい著作を残してくださった事に感謝、御冥福を御祈りします。出版された小沢書店も倒産していましたね。故に絶版ですね。図書館に予約して、3日で来ましたし、この手の内容のもの、ほとんど読む方も居ないんでしょうね、残念です。名著と感じますし、ぜひ一読お勧めします。
ただ、一言多い僕として若干、惜しいと思うのは、この手の本の図録の質の悪さである。カロの銅版画見ずにカロの魅力感じるのは難しいかもしれないですが。図録の並べ方も、カロの特色と感じるアニメーション的な感性を伝えるレイアウトにはなっていません。本文でも、銅版画家という視点から論じられているので、アニメーション的感性についての視点は残念ながらないようです。これから新しい批評家等によって再発掘してほしい作家です。
先日の書き込みでの、村上隆のメッセージとジャック・カロの対比は、http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20040322自分の中でもまだ、整理できていない部分があり、読んでもよく伝わらないと思いますが、僕の見たところ、村上隆を現代のカロと見なせる部分があり、ユニークな祝祭的感性への、そのような観点からの批評が現在皆無であり、まともに作品として論じられる機会が少ないことを危惧する気持ちがあるからです。

村上隆氏のHP
http://www.kaikaikiki.co.jp/