笹岡敬展 TIMES2016

帰路、なんばで降りてCASさんへ行きました。

笹岡敬展 TIMES2016
http://cas.or.jp/2016/SASAOKA/index.html
CASのwebより引用

先日の名村造船所跡での「クロニクル、クロニクル!」展にも出展されていて、そのイメージの延長上の作品かと想像していたのですが、かなり印象の異なる作品でした。

大きな展示室には、列車車窓の、右側から左側へ猛スピードで流れていく映像がパラレルにかつ中央で繋げられ、エンドレスに映し出されていました。
その中央部から正対して観ようとすると、一旦映像の中を通過して映写機の投影の邪魔にならないところに入らないといけない。
入口付近から見ていた映像から、その中へ一歩踏み入れることで、映像の中へ没入していく。
同時に高速で流れる映像を眼球が、無意識的に反応し、追いかける為に、一種のEMDRのような視覚心理セラピー効果のようなものが生じるのか、浮遊感のような身体が消失していく感覚を感じる。

5年前に拝見した笹岡さんの「Reflex2011-3D」展でも、両眼への視覚刺激通じての浮遊感を感じていました。
http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20110219/art2

奥の小さい方の展示室では、赤青緑の3色のパトライトが同調したり、バラバラになったりしながら、グルグル回転し、壁に3色の光跡をこれも高速で描いていく。
こちらも入口付近から見ている印象と、一歩中へ踏み入れることで、没入していくことで得られる視覚体験はかなり異なる。
一歩踏み込むことで眼球運動がより無意識に反応し、一種のEMDRのような視覚心理セラピー効果のようなものが生じてくるのか、落ち着いてくる。
大きい展示室の直線的な映像の並行移動により生じる直方体のような空間と、小さい展示室のパトライトの回転運動による円環のような空間の中へ飛び越える架空のエンクロージャーのようなものが感じられてくる。
そこに至るまでの、街路→敷地→建物→ギャラリー→作品外部→作品内部へと、それぞれが異なる時間や速度を持ち、物理的なエンクロージャーと同時に別のレベルのエンクロージャーが存在し、通過していく。
作品を経験したあと、作品が置かれなくなったとしても、そのようなエンクロージャーの多重性の感覚は残るように感じる。