ドゥーニャ・エヴァース「インサイド・アウト」
長居植物園での「ハス祭り2012」楽しんだ後、家族と別れて、1人だけで西九条にある梅香堂へ行きました。昨日、帰路梅田で降りてE-MAで「ART OSAKA」の関連イベントとして、ドゥーニャ・エヴァースさんの作品や滞在制作された梅香堂をイメージした展示構成を観て、これは観ておきたいなと感じました。それで今日さっそく梅香堂さんへ(画像転載許諾済)
FLAGアートエクスチェンジ|デュッセルドルフ(ドイツ)×大阪
ドゥーニャ・エヴァース「インサイド・アウト」
Dunja EVERS -- Inside Out
http://www.baikado.org/docs/home.htmlDunja EVERS
http://www.dunjaevers.com/
ドゥーニャ・エヴァースさんの映像作品が梅香堂の窓や大きなドアに張られたスクリーン越しに外からも室内からも観られるように設えられていて、梅香堂さんのユニークな空間と映像とが分けがたく見えてきます。
おそらく、ドゥーニャ・エヴァースさんが最初にここに来て感じられたイメージをストレートに表現されたような印象があります。私も梅香堂さんへはじめてきた時にその様相に強い衝撃を受けた記憶が有りますし、おそらくドゥーニャ・エヴァースさんも同じ事感じられたのではと想像します。
それは、オーナーさんにお聞きして分ったのですが、この建物をギャラリーとして借りられる以前に小火を起こしていて、木造の柱梁などが焼け焦げたままそのままの状態で使用されているところ。
今日、日没後に拝見したイメージは3個の大小の窓にはロウソクが灯された温かな映像が流れていますが、大きなドア越しのスクリーンにはタバコのような何かの煙がエンドレスに渦巻いていて、焼け焦げたフレームを想起させられます。道行く人も一瞬ビックリして振り返ったりしてます。
そのイメージは、やはり福島原発事故へのメッセージなのか、については分りませんが、関連を連想させます。
E-MAでの展示を観て、梅香堂での展示も観てみたいと思わせたのは何だったのか、考えてみると、おそらく自分自身が20代の頃にピュアアートの制作を続けていて、同時に建築の仕事をしていて、バブル経済期以降、いつのまにかピュアアートを作る機会が無くなってしまった事と、同時に、アートとアート以外のものという区分そのものを、意識しなくなった、もしくは意識しなくても気にならなくなった時期とが重なっていて、建築やランドスケープ的な仕事通じて、汎アートではないけれど、そこに人が介して、何かが伝わればそれで良いなと感じるような、そんな思いが自分の中にあって、それと近い感覚をE-MAの展示のなかに感じたからだと思います。
世界はアートで出来ているのかもしれないけれど、でも汎アートではない、人を介してある特定の思いや記憶が生じてくる、そのような曖昧ではあるけれど、アートのちからを信じる契機となりうるもの、その事を再認識する機会となりました、感謝です。