上山氏、大阪府特別顧問を辞職 維新の会の政策顧問に

1ヶ月ほど前に、橋下徹さんを応援されている誰だか知らない方から、関西経済同友会の橋下府政と平松市政との評価を読めとtweetして来られて、仕方なく、その評価を読んだ事があります。でも、そこにはとても奇妙なことが書かれていました。

大阪府・市は、大阪・関西のグローバルな競争力向上と日本経済全体の復権への貢献を目指し、行財政改革及び成長戦略の一層の推進と、府・市及び官民連携の更なる強化を
〜橋下府政・平松市政における重要施策とその進捗状況について
(同友会提言のフォローアップ評価を中心に)〜
平成23年5月
社団法人関西経済同友会
大阪府・市経営改革推進委員会
http://www.kansaidoyukai.or.jp/tabid/281/Default.aspx
http://www.kansaidoyukai.or.jp/LinkClick.aspx?fileticket=Eq00Mw2ONZY%3d&tabid=281

(提言本文、橋下知事の評価より引用)
外部評価については、大阪府改革評価委員にて実施されており、その審議内容も公表されているが、第三者による定期的な進捗状況評価とは位置付けられていない。

上記のうち、「(大阪府改革評価委員による評価は)第三者による定期的な進捗状況評価とは位置付けられていない」とあり、上山信一氏は知事特別顧問であり、大阪維新の会の企画提案もしていて、なおかつ大阪府改革評価委員も兼務されているので、外形的公平性の観点から問題ありとして指摘されたものなのか、よくその意味が理解出来なかったので、大阪府へ質疑してみました。その回答も個人的にはとても問題多いと感じました。退任はその意味からも適切なものと思います。
ちなみに質疑した時期は、上山氏退任の2週間程前の5月18日。

改革評価委員について質疑
2011年5月12日 15:46
5月11日付けの社団法人関西経済同友会の提言「橋下府政・平松市政における重要施策とその進捗状況について」の中に、大阪府さんの改革評価委員に対するコメントがあり、その点について質疑致します。
提言のアドレスは下記です。
http://www.kansaidoyukai.or.jp/LinkClick.aspx?fileticket=0wqP7OK50yw%3d&tabid=281
提言のうち、9枚目の橋下府政に対する(C)取組全般のうち、「外部評価については、大阪府改革評価委員にて実施されており、その審議内容も公表されているが、第三者による定期的な進捗状況評価とは位置付けられていない。」とあります。
府の委託を受けた委員による評価が第三者による定期的な進捗状況評価とは位置付けられていない、と指摘されていますが、これは何故でしょうか?
考えられるのは、委員のうち、知事の特別顧問及び、知事が代表を務めている大阪維新の会の顧問的存在でもある上山信一氏が、評価委員も兼務しており、同一人物が予算の策定から議会承認に関る政党、また行政評価まで、全てに関与しており、一般社会では考えられない、異常な委託形態となっている為ではないですか?
行政として、これで透明性は確保できていると思っておられますか?
回答ください。
大阪府民より

大阪府からの回答
2011年5月16日 13:59
平素より府政の運営にご支援、ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
ご質問に関しまして、以下のとおりご回答申し上げます。
改革評価委員は、知事から依頼された課題について、ヒアリングやデータ等をもとにしたアドバイスをいただくことを基本としており、定期的に府政の進捗状況評価を実施いただく役割とはなっておりません。
上山委員は、慶応大学教授としてのご見識や、様々な自治体における改革への取り組みに参画されていることから、府政の課題について幅広く助言をただいておりますが、財政構造や公会計関連などについては、他の改革評価委員にアドバイスをいただくなど、各々のご専門の立場から幅広くご意見をいただいております。
なお、それぞれの施策については、各部局長が自らのマネジメントの中で、各分野の専門家の意見やマーケティングリサーチなどの手法を使って、様々な意見を把握するとともに、戦略本部会議や議会でのご議論をいただくなど、適切な府政運営に努めているところでございます。
今後とも府政運営に格別のご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
大阪府政策企画部企画室改革評価グループ

再質疑
2011年5月16日 16:37
大阪府政策企画部企画室改革評価グループ様
ご返事ありがとうございます。
お聞きしたいポイントは、要するに、第三者による改革の外部評価及び点検であるか無いかという事です。
特別顧問として府知事に政策アドバイスされている上山信一氏が、府政の評価を行なえば、同一人物による行為であり、第三者評価と呼べるのでしょうか?しかも議会の議員による最終チェックに関る政党の顧問も兼ねており、府民としては不自然な関係と感じます。
外部の視点と呼びうるに値しないでは無いですか?
大阪府さんのホームページには、「大阪府の取組みを外部の視点から評価点検するため、以下のとおり、改革評価委員及び特別参与を委嘱します」とあります。
http://www.pref.osaka.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=6587
また下記、新聞報道では「改革評価委員と知事が意見交換 大阪府
http://www.sankei-kansai.com/2011/04/23/20110423-052075.php
大阪府橋下徹知事は22日、府政改革を外部の視点で評価・検証する改革評価委員らと、平成23年度の府政運営について府庁で意見交換した。
上山信一・慶応大教授ら改革評価委員5人が参加。各部局長によるマニフェストの実施状況や、府政3年間の財政再建などの取り組みが示された。
 橋下知事は「行政組織のあり方を専門的にみていただき、総括的な意見をうかがいたい」とあいさつ。
委員からは「他府県と比較してどうなのかをもっと示すべきだ」「企業や市場を活用した視点が弱い。データを集約すべきだ」などの意見が出された。」(2011年4月23日 07:45)などとあり、「府政改革を外部の視点で評価・検証する改革評価委員」と認識されています。第三者による評価と呼びうるものなのか否か再度回答願います。
大阪府

「改革評価委員について質疑」に対するご回答
2011年5月18日 17:55
再度のご質問に関しまして、以下のとおりご回答申し上げます。
上山委員には、府政の課題について幅広く助言をただいておりますが、外形的な公正性を確保する観点から、同一課題について、特別顧問、改革評価委員双方の立場から関わることがないよう留意しており、第三者による外部評価と認識しております。
大阪府政策企画部企画室改革評価グループ

大阪府特別顧問の上山信一慶応大教授(53)が5月31日付で府の顧問職を退き、橋下徹知事が率いる地域政党大阪維新の会」の政策顧問に就任したことがわかった。知事のブレーンと目される上山氏が、今秋の大阪市長選に候補者擁立をめざす同会の政策立案を支える立場に回ったことは、他の主要政党にも波紋を広げそうだ。
http://t.asahi.com/2vip
朝日新聞より引用