下山直紀展

坂倉新兵衛作陶展を拝見した後、ギャラリーNEXTにて、下山直紀展を観ました。

下山直紀展
http://www.takashimaya.co.jp/osaka/gallery/index.html
高島屋美術画廊より

こちらは、動植物をモチーフにした具象木彫のようなものが、だんだん変形していって、ランドスケープの中に溶けていくような、とても不思議なイメージの作品でした。木彫に漆を塗り、その上から岩絵具で彩色するという伝統的な技法だそうですが、でもそうすることで、変形していき、木材では細すぎて作れない部分を、針金で加工して、木材の部分とシームレスに繋がっていました。断片化したイメージを再構成しようとするとき、強いキャラクターを前景化することで、私達の視線を受け止めて、宙吊にしているような。
でも、僕はキャラクター自身よりも、それらを支える台座の部分の多様な素材であったり、表現の中に、作者の思いが隠されているように感じました。断片化したイメージと、それを植物のように台座の自然のランドスケープの中へと溶かしていく。でも変形の無い(現実にはあり得ない二足歩行の犬やウサギではあるけれど)全身像のキャラクター達は、台座とは、タッチしているだけの状態であり、それは私達が、決して台座=世界から切り離される事無く、生きていることを暗示しているのかもしれない。